【介護向け】パワーアシストスーツの価格相場|補助金・保険・レンタルで費用を抑える方法
パワーアシストスーツを検討するとき、まず気になるのが価格ではないでしょうか。掲載価格を見ても、税込・税別や販売条件が異なり、比べにくいものです。
本体価格だけでなく、作業への適合と、消耗品や保守を含む総コストで比べることが大切です。
さらに「補助金は使える?」「介護保険は?」「レンタルはできる?」と、手に入れ方の疑問も次々に出てきます。
この記事では、パワーアシストスーツの価格相場と、本体以外にかかる費用を解説します。あわせて、購入やレンタルなどの入手方法、補助金や保険の使い方もまとめました。
種類や選び方の基本は、パワードスーツ(介護用アシストスーツ)とは?種類・選び方・価格・補助金まで徹底ガイドで詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。
パワーアシストスーツの価格相場
パワーアシストスーツの費用を検討するときは、製品ごとの掲載価格と契約条件を分けて比べましょう。この記事では、ウェア型の通常掲載価格33,000円(税込)から、電動タイプの販売会社カタログ掲載価格160万円まで、代表的な製品例を紹介します。
タイプや価格の確認時点、税の扱い、購入条件が異なるため、同じ条件の確定支払価格として比べることはできません。必要な作業への適合と、見積もり時の総額を合わせて確認してください。
代表製品の掲載価格は3万円台〜100万円超
今回確認した代表製品の掲載価格は、3万円台から100万円を超える例まであります。価格差が生まれる最大の理由は、アシストの力をどう生み出すかの違いです。
バネやゴムを使うタイプは部品がシンプルで、価格を抑えやすくなります。一方、モーターやセンサーを積んだ電動タイプは、開発費や部品代がかさみます。
掲載価格には、公式ストアの通常価格やメーカー希望小売価格、販売会社のカタログ価格があり、価格の種類も区別する必要があります。たとえば、体を動かそうとする信号を読み取って動くHAL®腰タイプなどの電動製品は、契約内容も含めた見積もりの確認が必要です。
同じ「アシストスーツ」という名前でも、中身は別の製品と考えたほうがわかりやすいでしょう。まずは予算の上限を決め、どのタイプまでが候補に入るかを整理するのがおすすめです。
タイプ別の掲載価格例(ウェア型・非電動・電動)
代表製品の掲載価格を、サポーター・ウェア型、非電動型、電動型に分けて整理します。
サポーター型とは、ゴムやバネを縫い込んだ衣服のようなタイプのことです。非電動型は、人工筋肉やフレームの反発力で、サポーター型より強く支えます。電動型は、モーターの力で持ち上げ動作などを補助するタイプです。
製品例・タイプ | 確認できた掲載価格 | 掲載価格の条件 |
|---|---|---|
33,000円(税込)から | 公式ストアの通常価格。施術・医療従事者向けの購入条件あり。確認時売り切れ。 | |
149,600円(税込) | 公式ストア掲載。確認時売り切れ。 | |
214,500円(税込) | メーカー希望小売価格。販売価格は要確認。 | |
160万円 | 酒井医療2025–2026年カタログ。税の扱い未確認、送料別途見積もり。 |
たとえば、おむつ交換など中腰の作業が中心なら、サポーター型や非電動型で足りる場合があります。重い方の移乗が多い現場では、非電動の本格タイプや電動型が候補です。必要なタイプが決まれば、予算の目安も自然と見えてきます。
※2026年10月25日確認の代表製品の掲載価格例です。市場全体の相場や、現在購入できる確定支払価格を示すものではありません。販売先、税の扱い、購入条件、在庫、送料・保守費を確認し、条件をそろえて見積もりを比較してください。
価格帯別の代表的な製品
ここからは、価格帯ごとに代表的な製品を紹介します。結論として、同じ価格帯でも「どの作業を助けたいか」で向き不向きが変わります。理由は、製品ごとに得意な動作や装着の手軽さが異なるからです。
たとえば、同じ価格帯でも、移乗介助向けと中腰作業向けでは設計が違います。価格だけで選ぶと、現場の作業に合わず使われなくなるおそれがあります。ここでは価格の目安と、向いている場面をセットで確認しておきましょう。
製品ごとの機能は、パワードスーツ(介護用アシストスーツ)とは?で詳しく解説しています。
5万円未満|サポーター・ウェア型
5万円未満の掲載価格例として、電源不要のアシストウェアを紹介します。価格だけでなく、補助する作業や装着感、販売先の購入条件も確認しましょう。
たとえば、ダイヤ工業の「DARWING ABC Lift」は、高反発ゴムの張力で腰や背中を支える、電源不要のアシストウェアです。

出典:ダイヤ工業株式会社「"軽量×パワフル"なアシストスーツ誕生!「DARWING ABC Lift」を2024年6月3日より新発売」(PR TIMES)
公式ストアでは33,000円(税込)からの通常価格が掲載されています。
薄く柔らかい構造で、中腰姿勢の維持や持ち上げ作業の負担軽減を目的としています。
サイズや購入条件、最新の販売状況は公式窓口で確認しましょう。掲載先は施術・医療従事者向けの公式ストアで、確認時は売り切れ表示でした。
5万〜30万円|非電動の本格タイプ
5万〜30万円の掲載価格例には、人工筋肉を使う非電動タイプがあります。同じ価格帯でも、構造や補助する動作は異なるため、製品ごとの条件を比較しましょう。
イノフィスの「マッスルスーツEvery」は、人工筋肉が腰を支える非電動タイプです。

公式ストアでは「マッスルスーツEvery ソフトフィット」に149,600円(税込)と掲載されています。確認時は売り切れ表示のため、その価格で現在購入できるとは限りません。
「マッスルスーツExo-Power」のメーカー希望小売価格は214,500円(税込)です。希望小売価格と販売価格は異なる場合があるため、販売状況や現在の見積もりは公式窓口で確認してください。
30万円以上|高機能・電動タイプ
本体のカタログ掲載価格が30万円以上になる製品の実例として、電動タイプのHAL®腰タイプを紹介します。導入費を比較するときは、税、送料、初期導入・保守費を含む現在の総額を確認しましょう。
CYBERDYNEの「HAL®腰タイプ介護・自立支援用(HAL-BB04-SSSJP)」は、電動タイプの実例です。装着者の生体電位信号に基づいて動作を補助し、移乗介助や体位変換などの
腰部負荷を軽減するために使われます。

出典:Yoshiyuki Kishimoto 「Home-based hybrid assistive limb lumbar type telerehabilitation in spinocerebellar ataxias: a nonrandomized open-label trial」(Research Square、2025年)Figure 1(a)/CC BY 4.0/図の一部を掲載
酒井医療の2025–2026年総合カタログには本体160万円と掲載されています。送料は別途見積もりで、税の扱い、初期導入・保守費を含む現在の総額は販売窓口で確認してください。
本体価格だけでは見えない導入コスト
パワーアシストスーツの費用は、本体価格だけでは判断できません。結論として、消耗品や保守、使える年数、必要な台数まで含めた「総コスト」で考えることが大切です。
理由は、購入後にかかる費用を見落とすと、想定より出費が膨らむからです。たとえば、本体が安くても部品交換が頻繁なら、数年でみると割高になることもあります。反対に、本体が高くても長く使えれば、1年あたりの負担は小さくなります。
購入後に「こんなはずでは」と後悔しないよう、ぜひ押さえておきましょう。この章では、本体以外にかかる費用と、総コストの考え方を整理します。見積もりを取るときのチェックリストとしても活用してください。
消耗品・メンテナンス・保守契約の費用
結論として、購入後も消耗品や保守の費用がかかると考えておきましょう。理由は、毎日身体に着ける機器なので、使うほど部品が傷むからです。
非電動タイプでは、ベルトやカバー、人工筋肉などが交換の対象になります。電動タイプでは、バッテリーの交換や、定期点検を含む保守契約が必要になることがあります。保守契約とは、故障時の修理や点検を一定の料金で請け負ってもらう契約のことです。
たとえば、マッスルスーツの公式ストアでは、付け替え用の本体カバーや空気入れが別売りされています。汚れやすい介護現場では、カバーの予備を持っておくと衛生管理も楽になります。見積もりを取るときは、本体価格と一緒に消耗品と保守の費用も確認しましょう。
耐用年数から考える1年あたりのコスト
結論として、製品を比べるときは「1年あたりいくらかかるか」で考えるとわかりやすくなります。理由は、本体価格が同じでも、使える年数によって実際の負担が変わるからです。耐用年数とは、製品を安全に使い続けられる期間の目安のことです。
たとえば、仮に15万円の製品を5年使えば、1年あたり3万円、1か月あたり2,500円ほどです。一方、3万円のウェア型でも、1年でゴムが伸びて買い替えるなら、1年あたり3万円になります。つまり、安い製品が必ずしも割安とは限りません。
保証期間や部品の供給期間も、メーカーに確認しておくと安心です。長く使う前提なら、耐久性とアフターサービスまで含めて比べましょう。
施設導入は「必要台数×研修時間」まで見積もる
施設で導入する場合、結論として「何台必要か」と「使い方を覚える時間」まで見積もる必要があります。理由は、1台だけ入れても、使う人が限られると現場に定着しにくいからです。
台数は、同じ時間帯に何人が使うかで考えるのが基本です。たとえば、日中に移乗介助を行う職員が常に3人いるなら、最低3台は必要になります。さらに、職員の体格が違えば、サイズ違いを用意することもあります。
また、正しい装着方法を覚えるための研修時間も、見えないコストの一つです。メーカーによっては、導入時の研修や使い方の説明会を行っています。台数と研修の両方を含めて、はじめて本当の導入費用が見えてきます。
パワーアシストスーツを手に入れる4つの方法

パワーアシストスーツは、購入だけが手に入れる方法ではありません。結論として、新品購入・レンタルやリース・無料の試用・中古品の4つから、目的に合う方法を選べます。
理由は、使う期間や予算、試したいかどうかによって、最適な方法が変わるからです。たとえば、1年以上毎日使うなら購入、まず効果を確かめたいならレンタルや試用が向いています。いきなり高額な製品を買うと、現場に合わなかったときの損失が大きくなります。また、方法によって補助金の対象になるかどうかも変わります。
この章では、4つの方法の特徴と注意点を順に紹介します。自分の状況に合った入手方法を見つけてください。
新品購入|メーカー直販・代理店・通販
結論として、長く使うことが決まっているなら新品購入がもっとも安心です。理由は、メーカー保証やサポートを受けられ、最新モデルを選べるからです。
購入先は、メーカー直販、販売代理店、通販サイトの3つが主な窓口です。たとえば、サポーター型やマッスルスーツなどは、楽天市場やAmazonでも購入できます。一方、電動型や一部の製品は、法人向けに代理店経由でのみ販売されていることがあります。代理店を通すと、導入時の説明や試着の手配をしてもらえるのが利点です。
通販で買う場合は、サイズ交換や返品ができるかを事前に確認しておきましょう。価格だけでなく、購入後のサポートまで含めて購入先を選ぶことが大切です。
レンタル・リース|月額で導入するメリットと注意点
結論として、初期費用を抑えたいならレンタルやリースが有力な選択肢です。
レンタルは、必要な期間だけ機器を借りて、月額などで料金を支払う方法です。リースは、リース会社が購入した機器を、数年単位の契約で借りる方法です。リースは原則として途中解約ができないため、長く使う前提で選びましょう。
たとえば、CYBERDYNEではHAL®腰タイプを月単位で試せるプランを用意しています。購入時の負担が大きい製品でも、月額制なら初期費用を抑えやすくなります。
ただし、長期間借り続けると、合計額が購入価格を上回ることもあります。「いつまで使うか」を決めてから、購入と総額を比べて判断しましょう。
無料貸出・試用・体験会|購入前に相性を確かめる

結論として、購入前には無料の貸出や試用を必ず活用しましょう。理由は、装着感や動きやすさは、実際に着けてみないとわからないからです。
多くのメーカーや販売店が、試着会やデモ機の貸し出しを行っています。さらに、厚生労働省の事業として、全国に介護ロボットの相談窓口が設けられています。相談窓口では、機器の選び方の相談や、試用のための貸し出しを受けられる場合があります。
たとえば、施設で2週間ほど試し、職員の感想を集めてから購入を決める方法があります。導入後に「使われない」状態を防ぐには、試用の段階で現場の声を聞くことが大切です。
中古品購入|価格の安さと保証のリスク
結論として、中古品は安く手に入る反面、リスクも大きいため慎重に検討しましょう。理由は、見た目ではわからない劣化や故障が隠れている場合があるからです。
パワーアシストスーツは、ゴムや人工筋肉、バッテリーなどが使うほど劣化します。前の使用者がどれくらい使ったかわからないと、アシスト力が落ちている可能性があります。
たとえば、フリマアプリで安く買えても、メーカー保証が受けられないケースがあります。また、身体に直接着けるものなので、衛生面が気になる方もいるでしょう。
補助金は新品購入を前提とする制度が多く、中古品は対象外になりやすい点にも注意が必要です。業務で使うなら、新品購入やレンタルを優先するのがおすすめです。
介護施設が活用できる補助金・助成金
介護施設や事業所がパワーアシストスーツを導入するなら、補助金の活用は欠かせません。結論として、条件が合えば導入費用の一部を補助してもらえる可能性があります。理由は、国や都道府県が、介護職員の負担軽減や腰痛予防を後押ししているからです。
たとえば、電動タイプのような高額な製品でも、補助金を使えば自己負担を大きく下げられます。ただし、補助金には公募期間や対象機器などの条件があり、年度ごとに内容が変わります。制度を知っているかどうかで、同じ製品でも実質の負担額が大きく変わります。
この章では、代表的な補助金と、申請の流れを解説します。最新の情報は、必ず各制度の公募要領で確認してください。
介護テクノロジー導入支援事業
結論として、介護保険事業所がまず検討したいのが「介護テクノロジー導入支援事業」です。これは、介護ロボットやICT機器の導入費用を補助する、都道府県が実施する制度です。以前は「介護ロボット導入支援事業」と呼ばれていました。
理由は、介護現場の負担を減らし、生産性を高める目的で国が予算を確保しているからです。対象は、特別養護老人ホームや介護老人保健施設、訪問・通所などの介護保険事業所です。たとえば、移乗介助で使う装着型のパワーアシストスーツは、「移乗支援」の機器として扱われます。
申請先は、事業所がある都道府県の介護・高齢者福祉の担当部署です。補助額や対象機器の条件は、次の2つのポイントで確認しましょう。
補助額・補助率の目安
補助額や補助率は、都道府県や年度、機器の区分によって異なります。
たとえば、令和8年度の大阪府では補助割合は導入費の5分の4です。移乗支援などの機器は、1台あたり100万円が補助上限とされています。仮に補助対象経費が40万円なら、補助率5分の4で計算した補助額は32万円、自己負担は8万円です。
ただし、対象経費や上限額、事業所の要件を満たす必要があります。大阪府の同年度の事前エントリーは終了しています。今から利用できる制度や募集時期は、地元の最新の実施要綱で確認しましょう。
対象機器とTAIS登録の確認方法

補助対象かどうかは、TAISの掲載情報と、利用する補助金の要件を照らし合わせて確認しましょう。TAISとは、テクノエイド協会が運営する福祉用具の情報データベースです。
登録は製造・輸入事業者の申請に基づくもので、国による認定や、製品の安全性・有効性の保証を意味しません。登録製品のすべてが補助対象になるわけでもありません。
TAISのサイトでは、製品名やメーカー名から情報を検索できます。たとえば、大阪府の令和8年度の制度では、TAISで「介護テクノロジー」に選定された機器等や、同水準と府が判断した機器等が対象です。見積もりを取る前に、メーカーや販売店に掲載区分を確認し、補助対象になるかを都道府県の担当窓口で確かめましょう。
エイジフレンドリー補助金
結論として、60歳以上の職員が働く事業所なら、エイジフレンドリー補助金も有力な選択肢です。これは、高齢の労働者が安全に働ける職場づくりを支援する、厚生労働省の補助金です。理由は、腰痛予防のための機器導入が、労働災害を防ぐ対策として認められているからです。
令和8年度は、専門家総合対策コースの第2段階で、リスクアセスメントの結果を踏まえた設備・装置の導入などが対象です。設備導入の補助率は2分の1、上限額は100万円(消費税を除き、第1段階との合計)です。
主な要件は次のとおりです。
中小企業であること
事業を1年以上続けていること
自社の労災保険が適用される60歳以上の労働者(役員を除く)が常時1名以上働いていること
たとえば、60代の職員が多い小規模なデイサービスなら、対象になる可能性があります。
令和8年度の申請受付は、11月20日までに延長されています(2026年10月25日確認)。ただし、予算に達すると早めに締め切られる場合があるため、早めの準備が大切です。
その他の制度|業務改善助成金・自治体独自の助成
結論として、上の2つ以外にも、使える可能性のある制度があります。
1つ目は、厚生労働省の「業務改善助成金」です。これは、事業所内の最低賃金を引き上げ、生産性向上の設備を導入した中小企業を支援する制度です。理由は、介護業務の効率化につながる機器が、設備投資として認められる場合があるからです。ただし、賃金引き上げが条件になるため、機器の導入だけでは申請できません。
2つ目は、都道府県や市区町村が独自に設けている助成です。たとえば、東京都のように、独自の事業で介護機器の導入を後押ししている自治体もあります。
どの制度が使えるかは、事業所の状況によって変わります。地元の自治体や社会保険労務士に相談してみるのも一つの方法です。
補助金申請の流れとスケジュールの注意点
結論として、補助金は「交付決定の前に購入しない」ことが最大の注意点です。理由は、多くの補助金で、交付決定より前に契約や購入をした費用は対象外になるからです。
一般的な申請の流れは、次のとおりです。
公募要領で対象機器と条件を確認する
事前エントリーを行う(必要な場合)
販売店から見積もりを取り、交付申請をする
交付決定の通知を受けてから購入する
実績報告をして、補助金を受け取る
たとえば、大阪府の令和8年度の介護テクノロジー導入支援事業では、事前エントリー期間は5月25日から7月13日で、受付は終了しています。交付申請は、府が選定した対象事業所への案内に沿って行う仕組みです。
募集開始前から情報を集め、試用や見積もりを進めておくと準備しやすくなります。年間のスケジュールを逆算して、計画的に準備しましょう。
介護保険・医療保険は使える?個人・在宅での費用負担

「パワーアシストスーツは保険でレンタルできるの?」という疑問をよく耳にします。結論として、介護する人が着けるパワーアシストスーツは、介護保険も医療保険も原則として使えません。理由は、どちらの保険も、介護や治療を受ける本人のための制度だからです。
たとえば、在宅で家族を介護する方が自分用に買う場合は、全額自己負担になります。一方で、介護保険でレンタルできる福祉用具を組み合わせれば、介護負担を別の形で減らせます。制度の仕組みを知っておくと、ムダな出費を避けられます。
この章では、保険の扱いと、個人で費用を抑えるための現実的な方法を紹介します。在宅介護でパワーアシストスーツを検討している方は、ぜひ参考にしてください。
介護者向けアシストスーツは介護保険の対象外
結論として、介護者向けのパワーアシストスーツは、介護保険の福祉用具の対象外です。理由は、介護保険の福祉用具は、要介護認定を受けたご本人が使う用具に限られているからです。
福祉用具貸与とは、介護保険を使って、車いすや手すりなどを1〜3割の負担で借りられる制度です。対象は、車いす・特殊寝台・手すり・歩行器・移動用リフトなど、決められた品目だけです。介護する家族が着けるパワーアシストスーツは、この品目に含まれていません。
たとえば、ベッドから車いすへの移乗がつらい場合は、移動用リフトのレンタルが選択肢になります。自分が着ける道具にこだわらず、ご本人側の用具で負担を減らす発想も大切です。どの用具が使えるかは、担当のケアマネジャーに相談してみましょう。
医療保険が適用される医療用ロボットとの違い
結論として、介護向けのパワーアシストスーツは、医療保険の対象にもなりません。理由は、医療用ロボットを用いた治療の保険適用は、機器の承認内容、対象疾患、診療報酬上の要件など、機器や治療ごとの条件によって異なるからです。医療機器とは、病気の治療や診断を目的として、国が有効性や安全性を審査した機器のことです。
たとえば、CYBERDYNEの「HAL®医療用下肢タイプ」は、医療機器として承認されています。特定の神経や筋肉の病気に対し、医療機関でのリハビリとして保険が適用される例があります。一方、介護現場で使う「HAL®腰タイプ 介護・自立支援用」は、医療機器ではありません。
同じ「HAL®」という名前でも、目的と保険の扱いがまったく違う点に注意しましょう。治療目的で検討している場合は、主治医に相談するのが確実です。
個人・家族介護で費用を抑える現実的な方法
結論として、個人で導入するなら「手頃な製品から試す」ことが費用を抑える近道です。理由は、個人が使える補助金はほとんどなく、費用は原則として自己負担になるからです。
現実的な方法として、次の3つがあります。
用途に合うサポーター・ウェア型の製品例から試す
高額な製品は、お試しレンタルで相性を確認する
介護保険の福祉用具を組み合わせて、介助そのものの負担を減らす
たとえば、立ち上がりの介助がつらい方なら、まずはウェア型を試しながら、ベッドまわりに手すりをレンタルする方法があります。手すりがあれば、ご本人が自分の力で立ち上がりやすくなり、支える力も少なくて済みます。
道具を1つに絞らず、組み合わせて考えることが大切です。
費用で失敗しないための導入ステップ

ここまで、価格相場や入手方法、補助金について見てきました。結論として、費用で失敗しないためには「目的を決める→試す→見積もりと補助金をそろえる」の順で進めることが大切です。理由は、この順番を飛ばすと、合わない製品を買ったり、補助金の締め切りに間に合わなかったりするからです。
たとえば、先に製品を決めてから補助金を調べると、対象外だったと後から気づくことがあります。反対に、目的から逆算すれば、必要なタイプや予算、使える制度が自然と絞り込めます。
この章では、導入までの3つのステップを具体的に紹介します。施設でも在宅でも使える考え方なので、ぜひ参考にしてください。
目的と使用場面から必要なタイプ・台数を決める
結論として、最初に「誰が・どの作業で・何台使うか」を決めましょう。理由は、使う場面によって、必要なアシスト力と予算がまったく変わるからです。
迷ったときは、次の組み合わせを目安にしてください。
在宅介護×中腰の作業が中心:サポーター・ウェア型を試す
施設×おむつ交換やベッドメイキングが中心:サポーター・ウェア型や非電動型を比較
施設×重い方の移乗が多い:非電動型・電動型の適合を確認し、補助金の対象条件も調べる
入浴介助で使う:防水仕様のモデル
たとえば、要介護度が高い方の移乗が1日に何度もある施設なら、非電動の本格タイプか電動型が第一候補です。一方、在宅で見守りが中心なら、軽いサポーター型で十分なこともあります。
台数は、同じ時間帯に使う職員の人数を基準に決めましょう。
試用期間で現場との相性を確認する
結論として、購入前には必ず試用期間を設け、現場の職員に使ってもらいましょう。理由は、カタログの数値だけでは、装着の手間や動きやすさがわからないからです。
試用期間は、2週間から1か月ほどが目安です。できれば、体格や年齢の違う複数の職員に試してもらいます。
評価するときは、次のような点を記録しておくと比較しやすくなります。
着脱にかかる時間
1日に使った回数
腰の疲れ方の変化(本人の感想)
業務のじゃまにならないか
たとえば、「装着に3分かかるので急ぎのときは使わない」という声が出れば、別の製品を検討する材料になります。試用の結果は、補助金の申請書で導入効果を説明するときにも役立ちます。
複数社の見積もりと補助金の公募時期をそろえる
結論として、見積もりは複数社から取り、補助金の公募時期に合わせて準備しましょう。理由は、同じ製品でも販売店によって価格やサポート内容が異なるからです。
見積もりでは、本体価格だけでなく、消耗品・保守・研修の費用も含めて出してもらいます。条件をそろえて比べると、どの販売店が本当にお得かが見えてきます。
たとえば、次のようなスケジュールで進めると、補助金の締め切りに間に合わせやすくなります。
2〜4月:情報収集と試用、見積もりの取得
5〜7月:補助金の公募確認と事前エントリー
8〜9月:交付申請、交付決定後に購入
ただし、公募の時期は都道府県や年度によって変わります。早めに地元の自治体の情報を確認しておきましょう。
在宅で本人の歩行を支えるなら|歩行支援ロボットという選択肢
ここまで紹介したパワーアシストスーツは、介護する人の腰を守るための道具です。一方で、介護される側のご本人に装着し、歩く動作そのものをアシストする機器もあります。
結論として、「そもそも介助が必要な場面を減らしたい」と考える方には、こうした選択肢も知っておいてほしいと思います。理由は、ご本人が自分の足で歩ける場面が増えれば、付き添う家族の負担が軽くなることもあるからです。
この章では、在宅介護で感じやすい悩みと、装着型の歩行支援ロボット「WIM S」を紹介します。パワーアシストスーツと比べて何が違うのか、価格や導入方法とあわせて確認してみてください。
介護者向けスーツでは解決しにくい「本人の移動」の悩み
結論として、パワーアシストスーツは介護する人の負担を軽くしますが、ご本人の「歩く力」を支える道具ではありません。理由は、介護者が着ける機器である以上、介助の回数そのものは変わらないからです。
在宅介護では、次のような悩みを抱える方も多いのではないでしょうか。
たとえば、「親が一人で近所を歩けるようになれば、毎回付き添わなくて済むのに」という声は少なくありません。
介護する側を支える道具と、ご本人の歩行を支える道具。両方の視点で考えると、選択肢が広がります。
WIM Sの価格・導入方法とアシストスーツとの違い

当社の装着型歩行支援ロボット「WIM S」は、腰に装着して歩行動作をアシストする製品です。重さは装着部を含めて約1.6kgで、約30秒で装着できます。
パワーアシストスーツが介護する人の腰を支えるのに対し、WIM Sはご本人の脚の振り出しをサポートします。そのため、自分の足で歩く動作を保ちながら、散歩や外出を続けやすいのが大きな特徴です。
価格は396,000円(税込)です。月額15,800円の「安心プラン」(32か月契約・フル保証)や、月単位で解約できる月額28,600円のサブスクプランも用意しています。電動のパワーアシストスーツは法人向けの製品が多いのに対し、WIM Sは個人でも購入しやすい支払い方法を選べます。
また、WIM SはTAISに登録されています。介護事業所での導入では、補助金の対象になるかを都道府県に確認してみてください。
購入前に試せる無料体験会
WIM Sは、購入前に無料で試せる体験会を開催しています。所要時間は30分ほどで、ご本人の歩行データを測りながら、実際に装着して歩いていただけます。
この記事で紹介したパワーアシストスーツと同じく、歩行支援の機器も「着けてみないとわからない」ものです。ご家族と一緒に参加して、ご本人の感想を確かめることもできます。
ただし、WIM Sは、介護する方の腰を守るパワーアシストスーツの代わりになるものではありません。
ご本人の目的や身体の状態に合うかを確認し、必要に応じて専門職へ相談しながら検討してください。たとえば、ケアマネジャーや理学療法士、福祉用具専門相談員などが相談先になります。まずは実際に試したうえで、専門職の意見も聞きながら決めていきましょう。
よくある質問(FAQ)
Q1:一番安いパワーアシストスーツはいくらですか?
A:この記事で確認した製品例では、DARWING ABC Liftの公式ストアに通常価格33,000円(税込)からと掲載されています。ただし、施術・医療従事者向けストアの購入条件があり、確認時は売り切れ表示でした。
市場全体の最安値を示すものではありません。必要な補助と購入条件を確認して検討しましょう。
Q2:購入とレンタルはどちらがお得ですか?
A:1年以上毎日使うことが決まっているなら、購入のほうが総額を抑えやすい傾向があります。効果を試したい場合や、使う期間が限られる場合は、レンタルが向いています。
使う期間を決めてから、総額で比べましょう。
Q3:個人で購入する場合も補助金は使えますか?
A:介護テクノロジー導入支援事業やエイジフレンドリー補助金は、介護事業所や企業が対象です。個人での購入は、原則として対象外です。
お住まいの自治体に独自の制度がないか、念のため確認してみましょう。
Q4:パワーアシストスーツは介護保険でレンタルできますか?
A:介護する人が着けるパワーアシストスーツは、介護保険の福祉用具の対象外です。
移乗の負担が大きい場合は、介護保険でレンタルできる移動用リフトや手すりが選択肢になります。担当のケアマネジャーに相談してみてください。
まとめ|パワーアシストスーツの価格・入手方法のよくある質問
価格と費用を抑える方法のポイント
今回確認した掲載価格例では、DARWING ABC Liftの33,000円(税込)から、HAL®腰タイプ介護・自立支援用のカタログ掲載価格160万円まで差があります。価格の種類や購入条件が異なるため、現在の支払総額は見積もりで確認しましょう。選ぶときは、本体価格だけでなく、消耗品や保守、耐用年数を含めた総コストで比べることが大切です。
手に入れる方法は、新品購入・レンタルやリース・無料の試用・中古品の4つです。まずは試用で現場との相性を確かめてから、購入を決めるのがおすすめです。
介護施設なら、介護テクノロジー導入支援事業やエイジフレンドリー補助金で、費用を大きく抑えられる可能性があります。一方、介護者向けのアシストスーツは介護保険や医療保険の対象外です。在宅介護では、手頃な製品や介護保険の福祉用具を組み合わせて考えましょう。
種類や選び方をもう一度確認したい方は、こちらの徹底ガイドもご覧ください。





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