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ロフストランド杖(ロフストランドクラッチ)とは?T字杖・松葉杖との違い、種類・選び方・使い方を解説

GLOBIZ WELLNESS
3 日前
読了時間: 22分
ロフストランド杖を紹介する記事のアイキャッチ


そんな悩みから、ロフストランド杖を調べている方も多いのではないでしょうか。


ロフストランド杖は、手と前腕の2か所で身体を支える杖です。ロフストランドクラッチ、クラッチ杖とも呼ばれます。T字杖より支えを強めたいときの選択肢ですが、身体の状態によって合う・合わないがはっきり分かれる道具でもあります。


この記事では、ロフストランド杖の特徴から種類、選び方、正しい使い方、購入やレンタルの方法までまとめて解説します。ご本人やご家族が、自分に合う杖を考える参考にしてください。


【大切な注意】

ロフストランド杖は、骨折や手術後、麻痺などで医師や理学療法士が使用を勧めることが多い杖です。この記事だけで使用を判断せず、初めて使う場合は医師、理学療法士、福祉用具専門相談員などへ相談してください。


ロフストランド杖とは?前腕と手の2か所で支える杖


ロフストランド杖は、グリップを握る手と、カフに通した前腕の2か所で身体を支える杖です。カフとは、前腕を支える輪っか状の部品のことです。


一般的なT字杖は手だけで支えるため、体重をかけるほど手首に負担が集中します。ロフストランド杖は前腕でも支えるので、その負担を分散しやすい構造です。


たとえば、握力が落ちてT字杖を強く握れない方でも、前腕を添えることで杖に力をかけやすくなります。医療や福祉の分野では「前腕支持型杖」とも呼ばれ、リハビリの現場でもよく使われています。


ただし、支えが強い分、T字杖より重く、着け外しの手間もあります。まずは構造と、ほかの杖との違いから確認していきましょう。


ロフストランド杖の基本構造(グリップ・カフ・支柱・杖先)


ロフストランド杖の各部の名称


ロフストランド杖は、主にグリップ、カフ、支柱、杖先ゴムの4つの部品でできています。各部品の役割を知っておくと、選ぶときのポイントがわかりやすくなります。


グリップは手で握る持ち手で、体重を受け止める中心の部分です。カフは前腕を通す部品で、杖を手から離れにくくする役割もあります。


支柱は杖本体の棒の部分で、多くの製品は長さを段階的に調整できます。杖先ゴムは、床に接する滑り止めです。


たとえば、ドアを開けるときにグリップから手を離しても、カフが腕にかかっていれば杖は落ちにくくなります。この「手を離せる」点も、ロフストランド杖ならではの便利さです。


部品ごとの違いは、後の「種類と選び方」でくわしく解説します。


T字杖・多点杖との違い


T字杖や多点杖との大きな違いは、支える場所の数です。T字杖と多点杖は手だけで支えますが、ロフストランド杖は手と前腕の2か所で支えます。そのため、杖にしっかり体重をかけたい場面で力を伝えやすくなります。


一方で、T字杖より重く、腕を通す手間もあります。軽いふらつきを補う程度なら、扱いやすいT字杖で十分なことも多いです。多点杖は杖先が3〜4点に分かれ、平らな床で置いたときの安定を得やすい杖です。


たとえば「杖を置いたときにぐらつくのが不安」なら多点杖が候補です。「手首だけでは体重を支えきれない」なら、ロフストランド杖が候補になります。


高齢者向けの杖全体の選び方は、こちらの記事で解説しています。



松葉杖との違い


松葉杖との違いは、支える位置と使う期間です。松葉杖は脇の下あたりと手で支え、骨折後など一時的に脚へ体重をかけられない時期によく使われます。


ロフストランド杖は前腕と手で支えるため、松葉杖より小回りが利き、狭い場所でも扱いやすいのが特徴です。また、脇の下を圧迫しにくい点もメリットです。


松葉杖は、脇で体重を支えるような使い方をすると、腕のしびれにつながることがあります。


たとえば、骨折直後は松葉杖を使い、回復に合わせてロフストランド杖、T字杖へと移っていくケースもあります。


どの杖をいつまで使うかは、けがの状態や脚にかけてよい体重の制限によって変わります。自己判断で杖を切り替えず、主治医や理学療法士の指示に従いましょう。


ロフストランド杖が向いている人


ロフストランド杖が向いているのは、T字杖より強い支えが必要で、なおかつ杖を自分で操作できる方です。前腕でも体重を受けられるため、手や手首だけでは支えきれない方に適しています。


ただし、支えが強ければ誰にでも合うわけではありません。バランスを大きく崩しやすい方や、両手でしっかり身体を預けたい方には、歩行器のほうが安全な場合もあります。


たとえば同じ「歩くのが不安」でも、握る力の問題なのか、バランスの問題なのかで選ぶ道具は変わります。


大切なのは、「何が原因で歩きにくいのか」を先に確かめることです。ここでは、ロフストランド杖が向いている人の特徴と、向いていないケースを整理します。ご自身やご家族の状態と照らし合わせながら読んでみてください。


握力が弱く、手首だけで体重を支えにくい人


まず向いているのは、握力が弱く、手首だけで体重を支えにくい方です。T字杖は、体重をかける力をすべて手のひらと手首で受け止めます。握る力が落ちていると杖をしっかりつけず、ふらつきにつながることがあります。


ロフストランド杖なら前腕を添えて支えられるため、手首への負担を分散しやすくなります。握りやすい形のグリップを選べば、さらに力をかけやすくなります。


たとえば「T字杖を使うと、しばらくして手首が痛くなる」という方は、杖の種類を見直すサインかもしれません。


ただし、手首の痛みの原因がわからない場合は、まず受診して確認しましょう。そのうえで、ロフストランド杖を試してみるのがおすすめです。実際に歩いてみて、手首の痛みが軽くなるかを確かめましょう。


麻痺・リウマチ・骨折後などで脚への負担を減らしたい人


次に、脚への負担を減らしたい方にも向いています。片麻痺や関節の病気、骨折・手術後などで、片側の脚に体重をかけにくいケースです。片麻痺とは、脳卒中などにより身体の片側が動かしにくくなる状態のことです。


ロフストランド杖は腕でしっかり体重を受けられるため、弱い側の脚にかかる負担を減らしやすくなります。2本使えば、両脚の負担をより大きく減らせます。


たとえば、手術後に「脚にかける体重は半分まで」と指示された場合、2本のロフストランド杖で調整することがあります。


一方、関節リウマチなどで手首や指に痛みがある方は、前腕全体で支えるプラットホームクラッチが合うこともあります。病気や手術後の場合は、必ず主治医や理学療法士に相談して選びましょう。


T字杖では支えが足りなくなってきた人


これまでT字杖を使っていて、支えが足りなくなってきた方も候補になります。加齢や病気の進行によって、同じ杖でも以前ほど安心して歩けなくなることがあります。


T字杖にかかる体重が増えると、手首や肩に負担がたまりやすくなります。そのまま使い続けると、痛みから外出を控えるようになるかもしれません。ロフストランド杖に替えると、前腕でも支えられる分、杖に体重をかけやすくなります。


たとえば「最近、杖に強く寄りかかるようになった」「長く歩くと手が疲れる」といった変化は、見直しのタイミングです。


ただし、支えが足りない原因がバランスの低下なら、杖を替えるより歩行器が合う場合もあります。原因を確かめたうえで、道具を選ぶことが大切です。


向いていないケースと、使う前に専門職へ相談したいこと


一方で、ロフストランド杖が向いていないケースもあります。代表的なのは、立った姿勢を保つのが難しく、杖があっても大きくふらつく方です。杖は床の1点で支える道具なので、大きくバランスを崩したときに支えきれないことがあります。


また、肩や肘に強い痛みがある方、腕の力が弱く杖を持ち上げにくい方も注意が必要です。たとえば「両手で家具や壁につかまらないと移動できない」状態なら、歩行器のほうが安全なことが多いです。


次のような場合は、使う前に医師や理学療法士、福祉用具専門相談員へ相談しましょう。


  • 繰り返し転倒している

  • 立ち上がりや方向転換で大きくバランスを崩す

  • 肩、肘、手首に痛みがある

  • 装着の手順や歩き方を覚えにくい



ロフストランド杖の種類と選び方


ロフストランド杖は、見た目が似ていても部品の形や仕様がさまざまです。選ぶときは、カフの形、グリップの形、長さ調整や素材などの仕様の3つに分けて比べると迷いにくくなります。


カタログの写真だけではわからない違いも多いため、特徴を知ったうえで試すことが大切です。価格は数千円台の製品から、ドイツ製やカーボン製など2万円を超える製品まで幅があります。


たとえば、同じ「クラッチ杖」でも、腕から外しやすいタイプと外れにくいタイプでは、使い心地がまったく違います。


毎日使う道具だからこそ、細かな違いにも目を向けておきましょう。ここでは部品ごとの種類と選び方を解説し、最後に身体の状態別に向いているタイプの目安をまとめます。


カフの形状


カフの形は、使い心地を大きく左右するポイントです。主にオープンカフ(U型)とクローズドカフ(O型)の2種類があります。


見分け方は、カフが輪っか状に閉じているかどうかです。開いているものがオープンカフ、閉じているものがクローズドカフです。


どちらが良いかは、杖を着け外しする回数や、歩きながら手を離す場面の多さで変わります。


たとえば、椅子に座るたびに杖を外したい方と、外出先で財布を出したい方とでは、合うカフが違います。カフの内側にクッション材が付いた製品もあり、腕への当たりのやわらかさも選ぶポイントになります。


自分の生活の中で、杖をどんな場面で使うかを思い浮かべながら、それぞれの特徴を見ていきましょう。


オープンカフ(U型)


オープンカフタイプのロフストランド杖

オープンカフは、前腕を差し込むように装着するU字型のカフです。最大の特徴は、着け外しが簡単なことです。腕を抜くだけで外せるため、座ったり立ったりが多い方でも扱いやすくなります。


また、カフが腕を締めつけにくく、圧迫感が少ない点もメリットです。一方で、グリップから手を離すと、杖が腕から外れやすい面があります。


たとえば、家の中で椅子とベッドの間を移動することが多い方や、トイレで頻繁に杖を外す方には、オープンカフが向いています。


着け外しの手軽さから、初めてロフストランド杖を使う方にも取り入れやすいタイプです。試すときは、腕を差し込む向きや、外すときの動作がスムーズかも確かめておきましょう。


クローズドカフ(O型)


クローズドカフタイプのロフストランド杖

クローズドカフは、輪っか状に閉じたO字型のカフです。腕をしっかり通して使うため、グリップから手を離しても杖が落ちにくいのが特徴です。前腕を包むように支えるので、杖との一体感も得やすくなります。


一方で、着け外しにはオープンカフより少し手間がかかります。また、転びそうになったときに腕が抜けにくいと感じる方もいます。


たとえば、外出先でドアを開けたり、買い物で財布を出したりする場面が多い方もいます。こうした方には、クローズドカフが向いています。


バランスに不安がある方は、試すときに腕の抜きやすさも確かめておきましょう。どちらのカフが合うか迷う場合は、専門店で両方を試して比べるのが確実です。


グリップの形状(標準型・人間工学型・太型)


ロフストランド杖のグリップの種類

グリップは、体重をもっとも受け止める部分です。形は大きく、標準型、人間工学型、太型の3つに分けられます。


標準型は円筒に近いシンプルな形で、左右どちらの手でも使えます。


人間工学型は、手のひらの形に合わせて面で支えるグリップです。人間工学とは、人の身体の特徴に合わせて道具を設計する考え方のことです。手のひら全体で体重を受けられるため、一点に負担がかかりにくくなります。左右専用の製品が多いので、購入時は持つ手を確認しましょう。


太型は握りの直径が大きく、指を曲げにくい方でも握りやすい形です。


たとえば、手のひらに痛みが出やすい方は人間工学型、指が曲げにくい方は太型から試してみると良いでしょう。


長さ調整・折りたたみ・素材・重さなどの仕様


次に確認したいのが、長さ調整や素材などの仕様です。多くのロフストランド杖は、支柱の長さを段階的に調整できます。製品によっては、カフの位置も調整できます。


まずは、本人に合う長さが調整範囲に入っているかを確認しましょう。


素材はアルミ製が主流で、より軽いカーボン製もあります。重さは1本あたり500〜700g前後の製品が多く見られます。


たとえば、車や電車で外出することが多い方は、折りたたんでバッグに入れられるタイプが便利です。


また、製品ごとに耐荷重が決められているため、体重が範囲内かも確認してください。杖先ゴムの交換部品が手に入りやすいかも、長く使ううえで大切なポイントです。軽さだけで選ばず、グラつきのない丈夫なつくりかも確認しましょう。


身体状態別に向いているタイプの目安


ここまでの内容をふまえて、身体の状態別に向いているタイプの目安をまとめます。「結局どれを選べばいいの?」と迷ったときの参考にしてください。


  • 骨折・手術後で、脚に体重をかけられない時期:医師の指示のもと、松葉杖または2本のロフストランド杖

  • 片麻痺などで握力が弱く、T字杖では支えにくい:1本のロフストランド杖+人間工学型グリップ

  • 両脚の筋力が落ち、長く杖を使う見込みがある:2本のロフストランド杖

  • 手首や指に痛み・変形がある:プラットホームクラッチも含めて検討

  • 座る・立つ動作が多く、家の中で使うことが多い:オープンカフ

  • 外出が多く、歩きながら手を使いたい:クローズドカフ


たとえば、脳卒中の後で右半身が動かしにくく、左手の握力も落ちてきた方がいるとします。この場合、左手に1本、人間工学型グリップのロフストランド杖が候補になります。


あくまで目安なので、最終的には専門職に実際の歩き方を見てもらって決めましょう。


ロフストランド杖の正しい使い方・歩き方


自分に合うロフストランド杖を選んでも、使い方が合っていなければ十分な支えは得られません。長さが合っていないと、肩や手首に余計な負担がかかります。また、歩く順番を間違えると、かえってバランスを崩しやすくなります。


ここでは、長さの合わせ方、装着方法、平地での歩き方、階段での使い方を順に解説します。たとえば、同じロフストランド杖でも、1本で使うか2本で使うかで歩く順番は変わります。階段では、平地とは脚を出す順番が逆になる場面もあります。


正しい使い方を知っておくと、杖の支えを無駄なく活かせます。紹介するのは一般的な方法です。病気や手術後で医療職から指示を受けている場合は、その指示を優先してください。


長さとカフ位置の合わせ方


長さは、普段履く靴を履いて、まっすぐ立った状態で合わせます。杖先を足の小指の斜め前、15cmほどの位置に置きます。その状態で、肘が30度ほど軽く曲がる高さにグリップがくるように調整します。


カフは、肘の曲げ伸ばしを妨げない、肘の少し下の位置に合わせます。カフが肘に近すぎると腕を動かしにくく、遠すぎると前腕で支えにくくなります。


たとえば、調整後に肩が上がっている場合は杖が長すぎ、前かがみになる場合は短すぎるサインです。


一人で合わせるのが難しいときは、福祉用具専門相談員や理学療法士に確認してもらいましょう。靴を替えたときも、長さを見直すことが大切です。調整後は、ボタンや固定リングがしっかり留まっているかも確認しましょう。


装着方法と持ち方


装着するときは、まずカフに腕を通し、それからグリップを握ります。カフの向きや腕の通し方は製品によって異なるため、説明書で確認しましょう。


グリップを握ったら、肘を軽く曲げた状態で体重をかけます。このとき、手首が反りすぎないように注意します。


1本で使う場合は、痛みや弱さがある脚と反対側の手で持つのが基本です。たとえば、右脚が弱い方は左手に持ちます。こうすると、歩くときに体重を左右バランスよく受け止めやすくなります。


外すときは、グリップから手を離し、腕をカフから抜きます。


椅子から立ち上がるときは、杖に頼らず、肘掛けなどに手をついて立ってから装着すると安全です。慣れるまでは、家族に近くで見守ってもらいながら練習しましょう。


平地での歩き方


平地での歩き方は、ロフストランド杖を1本で使うか、2本で使うかによって変わります。どちらの場合も、基本は杖を先に出してから脚を出すことです。歩幅は小さめにし、杖を身体から遠くに出しすぎないよう意識しましょう。


1本で使う場合


1本で使う場合は、弱い側の脚と反対の手に杖を持ちます。歩き方には、主に2つの方法があります。


1つ目は、杖、弱い側の脚、強い側の脚の順に出す方法です。これを「三動作歩行」と呼びます。1歩ごとに杖を先に置くため、ゆっくりですが安定しやすい歩き方です。


2つ目は、杖と弱い側の脚を同時に出し、次に強い側の脚を出す方法です。これを「二動作歩行」と呼び、三動作歩行より速く歩けます。


たとえば、使い始めの時期は三動作歩行で練習し、慣れてきたら二動作歩行に移る流れがよく見られます。


どちらが合うかは、脚の状態やバランス能力で変わります。理学療法士に相談しながら選びましょう。どちらの歩き方でも、急いで歩かないことが大切です。


2本で使う場合(四点歩行・三点歩行・二点歩行)


ロフストランド杖2本での歩き方

2本で使う場合は、両手に1本ずつ杖を持ちます。代表的な歩き方は次の3つです。


  • 四点歩行:右の杖、左脚、左の杖、右脚の順に1つずつ出す。もっとも安定しやすいが、ゆっくりになる

  • 三点歩行:2本の杖と弱い側の脚を同時に出し、次に強い側の脚を出す。弱い側の脚の負担を減らしたいときに使う

  • 二点歩行:右の杖と左脚、左の杖と右脚をそれぞれ同時に出す。四点歩行より速いが、バランス能力が必要


たとえば、両脚の筋力が落ちている方は、まず四点歩行から始めるのが一般的です。三点歩行は、骨折や手術後に脚へかける体重を制限されている場合によく使われます。


どの歩き方を選ぶかは、医療職の指示に従ってください。慣れないうちは、広く平らな場所で練習するのがおすすめです。


階段・段差での使い方


手すりがある場合は、片手で手すりを持ち、もう片方の手で杖を使います。2本使っている方は、2本をまとめて片手に持つ方法もあります。


階段では、「上りは強い脚から、下りは弱い脚から」が基本です。


上るときは、強い側の脚を先に上の段に乗せ、次に杖と弱い側の脚を上げます。


下りるときは、杖と弱い側の脚を先に下の段に下ろし、次に強い側の脚を下ろします。


こうすると、体重を持ち上げたり受け止めたりする役目を、常に強い側の脚が担えます。


たとえば、自宅の階段に不安がある場合は、理学療法士に実際の階段で練習を見てもらうと安心です。段差や階段は転びやすい場所なので、無理をせず、手すりの設置も含めて検討しましょう。杖先を段の端ぎりぎりに置かないことも、滑りを防ぐポイントです。


ロフストランド杖の購入・レンタル方法


ロフストランド杖は、福祉用具専門店や通販などで購入できるほか、介護保険を使ってレンタルすることもできます。どこで手に入れるかによって、費用も相談できる内容も変わります。


初めて使う方は、試しながら相談できる方法を選ぶと安心です。一方、買い替えなどで必要なサイズや仕様がわかっている方には、通販も便利です。


たとえば、要介護認定を受けている方なら、介護保険を使って原則1〜3割の負担でレンタルできます。


費用だけで決めず、試せるかどうかも含めて選ぶことが大切です。ここでは、介護保険の利用、専門店や病院での相談、通販での購入の3つの方法を解説します。杖を買える場所の全体像は、こちらの記事でもまとめています。


介護保険でレンタル・購入できる杖の一つ


ロフストランド杖は、介護保険の「歩行補助つえ」に含まれる杖です。一般的なT字杖は介護保険の対象外ですが、ロフストランド杖はレンタルの対象になります。


さらに2024年4月からは、レンタルか購入かを選べるようになりました。この仕組みを「貸与・販売の選択制」と呼びます。


利用するには、要支援または要介護の認定を受けている必要があります。自己負担は、所得に応じて原則1〜3割です。


たとえば、短い期間だけ使う予定ならレンタル、長く使うことがわかっているなら購入、という選び方ができます。


ただし、選べる条件や手続きは、個々の状況で変わります。自分で先に購入せず、まずはケアマネジャーや福祉用具専門相談員へ相談しましょう。



福祉用具専門店・病院で試してから選ぶ


初めてロフストランド杖を使う方は、福祉用具専門店や病院で試してから選ぶのがおすすめです。専門店では、福祉用具専門相談員が身体の状態を聞き取り、合う杖を一緒に選んでくれます。


福祉用具専門相談員とは、福祉用具の選び方や使い方を助言する専門職のことです。


実際にカフに腕を通して歩いてみると、カタログだけではわからない使い心地を確かめられます。


病気の治療中や手術後の方は、主治医や理学療法士に相談しましょう。身体の状態をよく知っているため、杖の種類だけでなく歩き方まで具体的に教えてもらえます。


たとえば、入院中にリハビリで使っていた杖と同じタイプを、退院後に選ぶ方法もあります。まずは試して、合うかどうかを確かめることが失敗しない近道です。


通販で購入するときの確認ポイント


通販は品ぞろえが多く、自宅に届く便利な方法です。ただし、実物を試せないため、購入前の確認が欠かせません。とくに次の点をチェックしましょう。


  • 長さの調整範囲(適応身長)が本人に合っているか

  • カフの形がオープンかクローズドか

  • グリップが左右兼用か、左右専用か

  • 重さと耐荷重

  • 交換用の杖先ゴムが手に入るか


たとえば、人間工学型グリップを選ぶ場合、左右を間違えると使いにくくなります。2本で使う方は、2本セットの商品かどうかも確認しましょう。


なお、ロフストランド杖は福祉用具として消費税が非課税で販売されていることが多いのも特徴です。口コミやランキングだけで決めず、本人の状態に合うかを基準に選んでください。初めての1本は、返品や交換に対応しているお店を選ぶと安心です。


ロフストランド杖で支えきれないときの選択肢


ロフストランド杖は、T字杖より強く身体を支えられる心強い道具です。正しく使えば、歩ける範囲を広げる助けになります。しかし、それでも歩くことへの不安がなくならない方もいます。


前腕と手で体重を受け続けるため、長く歩くと腕や肩が疲れやすいという声もあります。また、2本使う場合は両手がふさがり、荷物を持つのが難しくなります。


たとえば、「杖があれば歩けるけれど、腕が疲れて散歩の距離を延ばせない」という悩みです。杖は身体を外側から支える道具なので、脚の動きそのものを助けるわけではありません。


杖だけにこだわらず、目的に合わせて道具を組み合わせる視点も大切です。ここでは、ロフストランド杖で支えきれないときに検討したい選択肢を紹介します。


両手で支える必要があれば歩行器を検討する


杖を使っても大きくふらつく場合は、歩行器を検討しましょう。歩行器は、両手で身体を支えながら歩くための道具です。杖より支える面が広いため、バランスを崩しやすい方でも安定を得やすくなります。


歩行器には、持ち上げて進む固定型や、車輪が付いたタイプなどがあります。屋内で使うか屋外で使うかによっても、向いている種類は変わります。


たとえば、「2本のロフストランド杖でも、方向転換のときにふらつく」という方は、歩行器のほうが安全なことがあります。


歩行器も、介護保険でレンタルできる福祉用具です。屋内は歩行器、屋外は杖というように、場面で使い分ける方法もあります。杖と歩行器のどちらが合うかは、専門職に相談しながら決めましょう。



歩行トレーニングを支援する装着型機器「WIM S」


装着型歩行支援ロボットWIM Sを装着して歩く様子

ここまで紹介したロフストランド杖や歩行器は、身体を外側から支える道具です。一方で、身体に装着し、脚の動きそのものをアシストする歩行支援機器もあります。


「杖を2本ついて歩く姿に抵抗がある」「腕が疲れて長く歩けない」という方もいらっしゃると思います。そのときの選択肢に、ぜひ加えていただけたらと思います。


当社の装着型歩行支援ロボット「WIM S」は、腰と脚に装着し、歩行動作をアシストする製品です。重さは約1.6kgで、約30秒で装着できます。


杖のように体重を預ける道具ではなく、自分の脚で歩くトレーニングを支援することを目的としています。


たとえば、日々の散歩や外出の時間を、歩く力を保つためのトレーニングの機会にすることもできます。


ロフストランド杖と比べたWIM Sの特徴


ロフストランド杖と比べたWIM Sの大きな特徴は、手や腕で支えずに歩行をサポートできることです。


ロフストランド杖は、手と前腕で体重を受け止めて歩く道具です。WIM Sは腕で体重を支える必要がないため、手首や肩に負担がかかりにくく、両手を自由に使いながら歩けます。


さらに、脚の振り出しをサポートすることで、自然に歩幅を広げやすくなります。杖に寄りかかる歩き方ではなく、良い歩行姿勢を意識しながら歩くトレーニングにも活用できます。


たとえば、買い物袋を持って歩きたい方や、杖を使う姿に抵抗がある方にとって、装着型ならではのメリットがあります。


ただし、WIM Sをロフストランド杖の代わりとして全面的におすすめすることはできません。


脚にかける体重を制限されている時期などは、杖で支えることが必要です。ご本人の目的や身体の状態に合うかを確認し、必要に応じて専門職へ相談しながら検討してください。


ロフストランド杖に関するよくある質問


A:長さやカフの位置が合っていない可能性があります。杖が長すぎたり、カフが肘に近すぎたりすると、腕に当たって痛みが出やすくなります。まずは長さとカフ位置を見直しましょう。


それでも痛む場合は、カフの内側にパッドが付いた製品や、専用のソフトカバーを使う方法もあります。痛みが続くときは、福祉用具専門相談員に相談してください。

A:片側の脚に弱さや痛みがある場合は1本が一般的です。両脚の筋力が落ちている場合や、脚にかける体重を大きく減らしたい場合は2本を使います。


ただし、1本で足りるかどうかはバランス能力によっても変わります。骨折や手術後の場合は、主治医や理学療法士の指示に従って選びましょう。

A:1本で使う場合は、弱い側の脚と反対の手で持つのが基本です。たとえば、右脚が弱い方は左手に持ちます。


ただし、麻痺の状態や、腕・肩の痛みによって適切な持ち方は変わります。迷ったときは専門職に確認しましょう。

A:溝がすり減ったり、片側だけすり減ったりしたら交換の目安です。すり減ったゴムは滑りやすく、転倒の原因になることがあります。交換の時期は使う頻度によって変わるため、定期的に確認しましょう。


交換用ゴムは、杖の支柱の太さに合うものを選びます。

A:介助する方は、本人の弱い側のやや後ろに立つのが基本です。ふらついたときに身体を支えやすい位置だからです。腕を強く引っ張ると、かえってバランスを崩すことがあるため注意しましょう。


階段では、上りも下りも本人より一段下に立つと、万が一のときに支えやすくなります。


まとめ|ロフストランド杖は支え方と身体状態に合わせて選ぶ


ロフストランド杖は、手と前腕の2か所で身体を支える杖です。握力が弱い方や、T字杖では支えが足りなくなってきた方、脚への負担を減らしたい方の選択肢になります。


選ぶときは、カフの形、グリップの形、長さ調整や重さなどの仕様を確認しましょう。迷ったら、「着け外しが多いならオープンカフ」「歩きながら手を使うならクローズドカフ」が一つの目安です。


また、長さや歩き方が合っていないと、十分な支えは得られません。介護保険でレンタルや購入ができる杖なので、まずはケアマネジャーや福祉用具専門相談員に相談してみてください。


杖で支えきれない場合は、歩行器や装着型の歩行支援機器など、ほかの選択肢もあわせて検討しましょう。


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