歩行器の種類を徹底解説|5タイプの違いとあなたに合う選び方
- GLOBIZ WELLNESS
- 8月6日
- 読了時間: 9分

歩行器を調べ始めると、さまざまなものが出てくるので迷ってしまいますよね。
歩行器は、見た目が似ていても支える力や使い方がタイプごとに大きく異なります。そして、どの種類が合うかは使う方の身体状態や生活環境によって変わります。だからこそ、まずはどんな種類があるのかを知ることが、自分に合った一台を選ぶ第一歩になります。
この記事では、歩行器を5タイプに分けてその特徴と違いを一つずつ解説しました。
さらに、近年登場した新しい歩行支援技術、「結局どれを選べばいいのか」を考える時のポイントなどをまとめて解説します。
1、歩行器は種類によって「支える力」が変わる
歩行器を選ぶ前に押さえておきたいのが、種類によって「体の支え方」と「動かし方」が異なることです。
たとえば、車輪がなく、床に置いた状態で体重を預けやすいタイプもあれば、車輪を転がして少ない力で進めるタイプもあります。手でグリップを握って支えるものだけでなく、前腕をパッドに載せ、腕全体で上半身を支えるものもあります。
例えば、「車輪のないタイプ」は床に置いたときに動きにくく、体をしっかり支えやすい一方、前へ進むには本体を持ち上げる力が必要です。
「車輪付きのタイプ」は押して進みやすい反面、製品によっては速度の調整やブレーキ操作が求められます。
つまり、歩行器の種類を知ることは、単に製品名を覚えることではありません。本人の身体状態や使う場所に合った「支え方」を見つけるための第一歩です。
それでは、代表的な5つのタイプを見ていきましょう。
2、歩行器の5つの種類と特徴

本記事では、一般的によく使われる名称をもとに、歩行器を次の5タイプに整理しました。
種類 | 構造・進み方 | 主な特徴 | 主に使われる場所 |
固定型 | 車輪がなく、本体を持ち上げて進む | 床に置いた状態で動きにくい | 主に屋内 |
交互型 | 左右のフレームを交互に動かす | 本体全体を持ち上げずに進める | 主に屋内 |
キャスター付き | 前脚などの車輪を転がして進む | 少ない力で前へ動かしやすい | 屋内、平らな場所 |
歩行車 | 四輪とハンドル、ブレーキを備える | 連続して進みやすい | 屋外、買い物、散歩 |
前腕支持型 | 前腕をアームレストに載せて支える | 握力だけに頼らず体を支えられる | 屋内、施設、リハビリなど |
固定型(ピックアップ型)
交互型
キャスター付き歩行器
歩行車(四輪・ブレーキ付き)
前腕支持型(アームレスト型)
3、あなたに合う歩行器はどれ?歩行器を選ぶときに確認したい4つのポイント

歩行器は、種類によって身体の支え方や操作方法が異なります。そのため、「屋外で使うから歩行車」「身体をしっかり支えたいから固定型」というように、一つの条件だけで決めるのではなく、本人の身体状態と使用環境を組み合わせて考えることが大切です。
歩行器を選ぶときは、次の4つのポイントを確認しましょう。
1.どの程度、身体を支える必要があるか
まず確認したいのが、歩くときにどの程度の支えが必要かです。歩行時のふらつきや、歩行器にどのくらい体重を預ける必要があるかによって、適した歩行器が変わります。
床に置いた歩行器へ身体を預けながら、一歩ずつ進みたい場合は、車輪のない固定型などが候補になります。一方、身体を支えながらも、前へ進むときの負担を抑えたい場合は、キャスター付き歩行器や歩行車が検討されます。
必要な支えの程度は、本人の感覚だけでは判断しにくい場合があります。立ったときの姿勢や歩行中のふらつきも含め、理学療法士や福祉用具専門相談員などに確認してもらいましょう。
2.本体の操作ができるか
歩行器は、種類によって必要な操作が異なります。
固定型では本体を持ち上げる力、交互型では左右のフレームを順番に動かす操作が必要です。歩行車では、進む速度を調整し、必要な場面でブレーキをかける力が求められます。
腕や肩の力が弱い場合は、本体を持ち上げるタイプが負担になることがあります。反対に、車輪付きのタイプは前へ動かしやすいものの、進みすぎないように速度を調整しなければなりません。
候補となる歩行器を試すときは、まっすぐ歩くだけでなく、持ち上げる、押す、止まる、曲がるといった一連の動作を確認しましょう。屋外で使う場合は、ブレーキを無理なく操作できるか、坂道でも安全に扱えるかも重要です。
3.主に屋内と屋外のどちらで使うか
使用する場所によって、歩行器に必要な大きさや車輪、ブレーキなどの機能が変わります。
屋内で使う場合は、廊下やドアの幅、曲がり角、家具との間隔、敷居などを確認します。歩行器の横幅が広すぎると通れない場所が生じるため、普段使う経路の幅を測っておくと安心です。
散歩や買い物など屋外で使う場合は、路面の凹凸、段差、坂道、濡れた路面なども考慮します。ある程度の距離を移動する場合は、四輪とブレーキを備えた歩行車や、休憩できる座面付きの製品が候補になることがあります。
屋内と屋外では求められる性能が異なります。生活環境によっては、一台ですべてに対応させるよりも、使用場所に応じて歩行器を使い分ける方が適している場合もあります。
4.どこで身体を支えるか
歩行器は、手でグリップを握るものだけではありません。手、手首、前腕のどこで身体を支えるかによって、適したタイプが変わります。
一般的な固定型や歩行車は、両手でグリップを握って操作します。そのため、握力が弱い方や手首に痛みがある方は、長時間の使用が負担になることがあります。
手や手首だけで身体を支えにくい場合は、パッドやアームレストに前腕を載せる前腕支持型が候補になります。前腕全体で上半身を支えられる一方、高さや身体との距離が合っていないと、前かがみの姿勢になりやすいため、本人に合わせた調整が必要です。
歩行器を選ぶときは、身体を支えられるかだけでなく、無理のない姿勢で操作を続けられるかまで確認しましょう。
この4つのポイントを整理すると、候補となる歩行器の種類を絞りやすくなります。ただし、同じ種類でも、高さ、横幅、重さ、車輪の動きは製品ごとに異なります。
最終的には本人が実際に試し、ケアマネジャー、福祉用具専門相談員、理学療法士などへ相談したうえで選びましょう。
使う方の状態に合わせたおすすめモデルは、こちらの記事で詳しく比較しています。
【内部リンク:歩行器 高齢者 おすすめ】
4、従来の歩行器とは異なる新しい歩行支援技術を検討する
ここまでの5タイプは、古くから使われてきた「体を預けて支える」タイプの歩行器です。
近年はこれに加えて、モーターやセンサーの力を使った新しい歩行支援が登場しています。従来の歩行器とは考え方が異なるため、別の選択肢として分けて紹介します。
電動アシスト付き歩行器・歩行車
電動アシスト付き歩行器・歩行車は、車輪付きの本体にモーターやセンサーを搭載し、歩行中の操作を補助するタイプです。
基本的な形状は一般的な歩行車に近く、独立した「別の種類」というよりも、車輪付き歩行器や歩行車に電動機能を加えた製品と考えると分かりやすいでしょう。
製品によっては、上り坂で本体を押す力を補助したり、下り坂や歩行速度が上がった際に自動で減速したりする機能があります。坂道の多い地域で生活している方や、屋外を長く歩く際の負担を抑えたい方にとって、選択肢の一つになります。
一方で、電動機能が付いているからといって、利用者が操作しなくてよいわけではありません。進行方向の調整やブレーキ操作など、基本的な操作は本人が行う必要があります。
また、モーターやバッテリーを搭載する分、一般的な歩行車より本体が重くなる傾向があります。充電が必要なほか、バッテリーが切れた場合の操作性や、保管場所、持ち運びのしやすさも事前に確認しておきたいポイントです。
電動アシスト付き歩行器・歩行車の主な特徴を、「できること」と「使用前に確認したい点」に分けて整理します。
電動アシストの強さや制御方法は、製品によって異なります。実際に使用する場所で試し、坂道での挙動やブレーキの利き方、重量、充電方法まで確認したうえで選びましょう。
装着型の歩行支援ロボット

こちらは「押して使う歩行器」とは根本的に異なり、体に装着して足の動きそのものを助けるタイプです。歩行器のように何かに寄りかかるのではなく、足の振り出しをサポートすることで、自分の足で歩く動きを引き出します。
装着型の歩行支援ロボット「WIM S」は、腰に装着する約1.6kgの軽量タイプで、歩行器と違って両手がふさがりません。「歩行器を使うほどではないけれど歩きに不安が出てきた」段階の方や、歩く力そのものを保ちたい方に向いた、新しい選択肢です。
従来の歩行器では補いにくかった「両手がふさがる」「かさばる」といった弱点を解消できる点が、こうした装着型の強みです。無料体験も用意していますので、まずは試してみるのがおすすめです。
5、歩行器それぞれの介護保険での扱い
ここまで紹介したタイプの多くは、介護保険の「福祉用具貸与」でレンタルできます。歩行器は要支援1の方から原則レンタルできる種目で、自己負担は所得に応じて1〜3割です。
タイプごとの扱いを、目安として整理します。
タイプ | 介護保険での扱い(目安) |
固定型・交互型 | 対象(福祉用具貸与) |
キャスター付き・歩行車 | 対象(福祉用具貸与) |
前腕支持型 | 対象(福祉用具貸与) |
電動アシスト・歩行支援ロボット | 製品により異なる。メーカー独自のレンタル・無料体験がある場合も |
レンタルの手続きや費用の詳しい流れは、こちらの記事で解説しています。
【内部リンク:歩行器 レンタル】
歩行器全体の選び方や介護保険の基本は、こちらのガイドをご覧ください。
6、種類選びで失敗しないための注意点

最後に、種類を選ぶうえで気をつけたいポイントをまとめます。
呼び方だけで判断しない
「歩行器」「歩行車」「キャスター付き」「サークル型」などの呼び方は、メーカーや事業者によって異なることがあります。
名称だけで判断せず、次のポイントを確認しましょう。
必ず本人が実際に試す
同じタイプの歩行器でも、高さ、横幅、重さ、グリップの形、車輪の動きは製品ごとに異なります。
家族だけで選ぶと、本人には高さが合わなかったり、重くて操作できなかったりすることがあります。可能な限り、本人が実際に立ち、歩き、方向転換やブレーキ操作まで試してから決めましょう。
使用場所を具体的に確認する
屋内で使う場合は、廊下やドアの幅、曲がり角、敷居、床材などを確認します。屋外で使う場合は、坂道、段差、砂利道、濡れた路面、交通量なども考慮する必要があります。
屋内向けと屋外向けでは求められる性能が異なるため、1台ですべての場面をまかなおうとすると、使いにくくなることがあります。生活環境によっては、複数の歩行器を使い分ける方法もあります。
身体の状態が変わったら種類を見直す
歩行能力や腕の力、姿勢は変化することがあります。以前は使いやすかった歩行器が、現在の身体状態には合わなくなる場合もあります。
使いにくさや姿勢の変化、つまずきなどが見られたら、自己判断で使い続けず、専門職に再確認してもらいましょう。
7、歩行器の種類に関するよくある質問
まとめ
最後に歩行器の5つの種類を復習しておきましょう。
歩行器は、名前だけでなく、車輪の有無、進み方、身体を支える位置、操作方法、使用場所を確認して選ぶ必要があります。
「どの種類が優れているか」ではなく、「本人の身体状態と生活環境に合っているか」という視点で選びましょう。
可能な限り実際に試し、福祉用具専門相談員や理学療法士などへ相談したうえで選びましょう。



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