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歩くのが遅くなったと感じたらどうすればいい?|その原因や病院に受診する目安を解説

  • GLOBIZ WELLNESS
  • 2 時間前
  • 読了時間: 16分



歩く速度の変化は、ご本人が先に気づくこともあれば、一緒に暮らす家族や外出に付き添う方が先に気づくこともあります。


ご本人は「年齢のせいだから仕方がない」「まだ困っていない」と考えていても、家族から見ると、歩幅が小さくなったり、歩ける距離が短くなったりしている場合もあるでしょう。


歩くのが遅くなる背景には、筋力やバランス能力の低下だけでなく、膝・股関節・腰の痛み、心臓や肺の病気、貧血、脳・神経の病気、薬や血圧の影響など、さまざまな原因が考えられます。


大切なのは、原因を本人や家族だけで決めることではありません。


  • 急に遅くなったのか、徐々に遅くなったのか

  • 痛みや息切れ、しびれなど、何を伴っているのか

  • 生活のどの場面に影響しているのか


この3点を確認し、必要な受診や対策につなげることが重要です。



歩くのが遅いときの受診・救急対応の確認フロー

この記事では、高齢者の歩く速度が遅くなる主な原因、本人と家族が確認したい変化、受診の目安、原因を確認したあとの改善策を解説します。


急に歩けなくなった場合は救急対応を優先する


歩く速度の変化に気づいたら、最初に確認したいのは「いつから変わったのか」です。


数か月から数年かけて徐々に遅くなっている場合と、ある日を境に急に歩けなくなった場合とでは、必要な対応が異なります。


次のような症状が突然起きた場合は、脳卒中の可能性があります。


  • 片方の手足や顔に力が入らない、しびれる

  • まっすぐ歩けず、身体が片側へ傾く

  • ろれつが回らない

  • 言葉が出ない、相手の話を理解できない

  • 物が二重に見える、片方の目が見えにくい

  • 経験したことのない激しい頭痛がする

  • 突然立てない、歩けない


日本脳卒中協会は、これらの症状が突然起きた場合は、救急車を呼ぶよう案内しています。本人が「少し休めばよくなる」と話していても、杖を使わせたり、翌日まで待ったりせず、119番へ通報してください。


症状が短時間で消えた場合も、そのまま様子を見てはいけません。


一時的な麻痺や言葉の異常は、一過性脳虚血発作の可能性があります。一過性脳虚血発作は症状が消失しても、早期に脳梗塞を発症するリスクがあるため、迅速な診断と治療が必要です。


また、転倒したあとから急に歩けなくなり、脚の付け根などに強い痛みがある場合も、無理に立たせたり歩かせたりせず、医療機関へ相談しましょう。



徐々に歩くのが遅くなる主な原因

歩行速度が低下する主な5つの原因

徐々に歩く速度が落ちてきた場合、原因は一つとは限りません。


例えば、膝の痛みをきっかけに外出が減り、活動量が落ちたことで筋力も低下するなど、複数の要因が重なっていることがあります。


本人が感じている症状と、家族から見た歩き方の変化を合わせて確認しましょう。


筋力やバランス能力、活動量の低下


歩くためには、脚を前へ出す筋力だけでなく、身体を支える筋力、姿勢を保つ力、左右の脚へ体重を移すバランス能力、歩き続ける体力が必要です。


外出や運動の機会が減り、座って過ごす時間が増えると、これらの機能が低下して歩幅が小さくなったり、歩く速度が落ちたりする可能性があります。


筋肉の量や筋力、歩行などの身体機能が低下した状態は「サルコペニア」と呼ばれます。サルコペニアは、単に脚が細くなったかどうかではなく、筋肉量、握力、歩行速度などを組み合わせて評価します。


次のような変化が重なっていないか確認しましょう。


  • 椅子から立つのに手を使うようになった

  • 階段を上がるのが難しくなった

  • 歩幅が小さくなった

  • 少し歩くだけで脚が疲れる

  • 外出や散歩の回数が減った

  • 体重が減ってきた

  • 荷物を持つ力や握る力も弱くなった


心身の複数の機能が加齢や病気によって低下し、健康な状態と要介護状態の中間にある状態を「フレイル」といいます。フレイルは一方的に悪化するだけではなく、適切な評価や対策によって改善できる可能性がある段階です。サルコペニアは、身体的なフレイルに関わる主な要因の一つです。


歩行速度の低下に加えて、体重減少、疲れやすさ、活動量の低下などがある場合は、かかりつけ医やフレイル外来などへの相談を検討しましょう。


膝・股関節・腰などの痛みや動かしにくさ


膝や股関節、腰、足に痛みがあると、痛い部分へ体重をかける時間を短くしようとして、歩幅が小さくなったり、歩く速度が落ちたりします。


変形性膝関節症では、初期には立ち上がりや歩き始めに膝が痛み、進行すると階段の昇降や歩行そのものが難しくなることがあります。立ち上がりや歩き始めに脚の付け根が痛み、長時間の立位や歩行がつらくなることがあります。


次のような変化がある場合は、整形外科などへ相談しましょう。


  • 歩き始めに膝や脚の付け根が痛む

  • 片脚をかばって歩いている

  • 左右で歩幅が違う

  • 階段や坂道を避けるようになった

  • 靴下を履く、足の爪を切る動作が難しくなった

  • 膝が腫れている、伸ばしにくい


腰部脊柱管狭窄症などでは、立ったり歩いたりしていると、お尻や太もも、脚に痛みやしびれが出て歩けなくなり、しゃがむ、座るなどして休むと再び歩けることがあります。短い距離で何度も立ち止まるようになった場合は、腰痛が強くなくても整形外科へ相談してください。


片脚だけ動かしにくい、足先が上がらず引っかかる、すり足が目立つ場合は、次の記事でも詳しく解説しています。


心臓・肺の病気や貧血


歩くためには、筋肉へ酸素を届ける心臓や肺の働きも必要です。


心臓や肺の病気、貧血などがあると、脚そのものに痛みがなくても、息切れや疲労によって歩く速度が落ちることがあります。


次のような変化がないか確認しましょう。


  • 少し歩いただけで息が切れる

  • 会話しながら歩けなくなった

  • 階段や坂道で何度も止まる

  • 動悸がする

  • 以前より疲れやすい

  • 足のむくみがある

  • 顔色が悪い

  • 食欲が落ちている


心不全では、最初は坂道や階段で息切れし、進行すると平地を少し歩くだけでも息苦しくなる場合があります。むくみ、急な体重増加、夜間の咳や呼吸の苦しさを伴う場合もあります。これまで普通にできていた歩行が大変になった場合は、年齢のせいと決めつけず、かかりつけ医へ相談しましょう。


貧血でも、息切れ、疲れやすさ、だるさなどが起こります。高齢者では典型的な症状を自覚しにくく、「何となく元気がない」という変化だけの場合もあります。血液検査が必要になるため、本人や家族だけで栄養不足と判断せず、内科などへ相談してください。


安静にしていても息苦しい、胸が痛い、冷や汗が出る、意識が遠のくといった場合は、速やかな医療対応が必要です。


パーキンソン病など脳・神経の病気


脳や神経の病気によって、脚へ力を伝えにくくなったり、歩き始めや方向転換が難しくなったりすることがあります。


パーキンソン病などでは、次のような変化が見られる場合があります。


  • 歩幅が小さくなった

  • すり足になった

  • 歩き始めの一歩が出にくい

  • 方向転換に時間がかかる

  • 前かがみになった

  • 片方の腕を振らなくなった

  • 身体全体の動きが遅くなった

  • 声が小さくなった

  • 手の震えや筋肉のこわばりがある


国立長寿医療研究センターは、パーキンソン病や類似する状態で、動作の遅さ、歩幅の縮小、すり足などが見られると説明しています。薬によって似た症状が起こる場合もあるため、本人や家族だけで病名を判断せず、かかりつけ医や脳神経内科へ相談してください。


脳卒中の後遺症や、ほかの神経の病気が歩行に影響している可能性もあります。片側だけの動かしにくさや左右差が徐々に目立ってきた場合も、一度評価を受けましょう。



薬・血圧・栄養状態・見えにくさなどの影響


病気だけでなく、薬やその日の体調、食事、視力、生活環境などが歩き方に影響することもあります。


例えば、立ち上がった直後に血圧が下がると、めまいやふらつきを避けるために慎重な歩き方になります。睡眠薬など一部の薬による眠気やふらつきが、歩行へ影響している可能性もあります。


次のような変化を確認しましょう。


  • 立ち上がるとくらくらする

  • 朝や入浴後、食後にふらつく

  • 薬の追加や変更後から歩きにくくなった

  • 食事や水分を十分に取れていない

  • 体重が減っている

  • 暗い場所や段差を歩くのが難しくなった

  • 眼鏡が合わず、足元が見えにくい


国立長寿医療研究センターの転倒防止セルフチェックでも、歩行速度だけでなく、めまい、膝痛、見えにくさ、服薬、室内の暗さや段差などが確認項目に含まれています。


薬の影響が疑われても、本人や家族の判断で服用を中止してはいけません。薬の名前と服用時刻、症状が出る時間帯を記録し、処方した医師や薬剤師へ相談してください。



本人の感覚と家族から見た変化を記録する


歩行速度の低下は徐々に進むことがあり、本人より家族のほうが先に気づく場合があります。


一方で、家族が「歩くのが遅くなった」「もっと速く歩いて」と指摘するだけでは、本人が責められたように感じる可能性があります。


歩く速さそのものではなく、次のように本人が感じていることを確認しましょう。


「膝や腰は痛くない?」

「歩くと息苦しくならない?」

「足が重い、前に出にくい感じはある?」

「どのくらい歩くと休みたくなる?」

「転びそうで怖い場所はある?」


家族は、印象だけでなく、具体的な変化を記録しておくと受診時に説明しやすくなります。


確認すること

記録する内容の例

変化した時期

半年前から徐々に、転倒後から、薬の変更後から

歩ける距離

駅まで歩けていたが、現在は途中で2回休む

苦手な場所

坂道、階段、横断歩道、暗い廊下

一緒に起こる症状

膝痛、しびれ、息切れ、動悸、めまい

歩き方

歩幅が小さい、片脚をかばう、腕を振らない

生活への影響

買い物や散歩が減った、通院に時間がかかる

体調の変化

体重減少、食欲低下、むくみ、疲れやすさ

最近追加・変更された薬、症状が出る時間帯

可能であれば、普段歩いている様子を安全な場所で動画に撮り、医師や理学療法士へ見せる方法もあります。診察室の短い距離だけでは分かりにくい、歩幅、姿勢、腕の振り、左右差などを伝える手がかりになります。


歩幅やすり足など歩き方に現れる5つの変化

転ぶことへの不安が強く、必要な外出まで避けるようになった場合は、身体状態と心理的な不安の両方を確認する必要があります。


歩行速度の数値は診断ではなく目安として使う


歩行速度には、いくつかの目安があります。


国立長寿医療研究センターは、日本の横断歩道について、1秒間に約1mの速度で歩けば渡り切れるように設計されていると説明しています。横断中に青信号が点滅することが増えた場合は、以前より速度が落ちていないかを確認するきっかけになります。


1秒で約1mを歩く歩行速度の目安

また、2020年改定の日本版CHS基準では、通常歩行速度が1.0m/秒未満であることが、身体的フレイルを評価する5項目の一つに含まれています。


ほかの項目は、意図しない体重減少、握力低下、疲労感、身体活動の低下です。日本版CHS基準では、歩行速度のほか、意図しない体重減少、握力低下、疲労感、身体活動の低下を合わせた5項目で評価します。歩行速度だけに該当しても、それだけでフレイルとは判定されません。


歩行速度は、測定する距離、歩き始める位置、路面、履物、その日の体調などによって変わります。年齢別の平均値との比較よりも、本人が以前と同じ生活を続けられているかを確認することが重要です。


家庭で時間を測る場合は、安全な同じ場所を普段どおりの速さで歩き、以前との変化を記録する目的にとどめましょう。


次のような人には、家庭で無理に歩行テストを行わせず、医療機関やリハビリの専門職への相談を優先してください。


  • すでに何度も転倒している

  • 壁や家具につかまらないと歩けない

  • 強い痛みや息切れがある

  • 立っているだけでふらつく

  • 急に歩き方が変わった


歩くのが遅くなったときの受診目安


歩行は、買い物、通院、入浴、トイレ、外出など、日常のさまざまな活動に関わっています。


歩く速度の低下によって生活範囲が狭くなっている場合は、「年齢のせい」と考えていても、一度相談する理由になります。


特に、次のいずれかに当てはまる場合は、かかりつけ医などへ相談しましょう。


  • 本人または家族が、以前との明らかな違いを感じる

  • 歩く速度が徐々に低下している

  • 買い物、通院、横断歩道など日常生活へ影響している

  • 転倒やつまずきが増えた

  • 痛み、しびれ、めまいを伴う

  • 少し歩くだけで息切れや動悸がする

  • すり足や左右差が目立つ

  • 片脚だけ動かしにくい

  • 体重減少、食欲低下、強い疲れやすさがある

  • 薬の変更後から歩きにくくなった

  • 杖や家族の支えがないと歩けなくなってきた


「何日続いたら受診する」という一律の基準はありません。


本人が強く困っていなくても、日常生活への影響が出ている場合や、家族から見て悪化している場合は、相談を検討してください。



相談先に迷ったら、まずかかりつけ医へ


症状によっては、次の診療科や専門職につながる場合があります。


  • 膝、股関節、腰などの痛み:整形外科

  • すり足、動作の遅さ、片側の動かしにくさ:脳神経内科

  • 息切れ、動悸、むくみ、強い疲労:内科や循環器内科

  • 歩き方、筋力、バランスの評価:理学療法士

  • 食事量や体重減少:医師や管理栄養士

  • 薬の変更後のふらつき:処方した医師や薬剤師

  • 杖や歩行器の相談:理学療法士や福祉用具専門相談員


福祉用具専門相談員は、介護保険で利用する杖や歩行器などの選び方や使い方を支援する専門職です。


最初から診療科を正確に選べなくても問題ありません。迷った場合は、本人の病歴や服薬状況を把握しているかかりつけ医へ、歩き方がいつからどのように変わったかを伝えましょう。



本人が受診を嫌がる場合は、続けたい生活から話す


家族が受診を勧めても、本人が「年齢のせい」「病院へ行くほどではない」と断ることがあります。


その場合は、歩く速度そのものを問題にするのではなく、本人が困っている場面や、今後も続けたい生活から話してみましょう。


例えば、次のように伝えます。


  • 「買い物の途中で休むことが増えたけど、脚は痛くない?」

  • 「また一緒に出かけたいから、一度身体の状態を見てもらわない?」

  • 「転んでからではなく、今のうちに確認しておこう」

  • 「杖を使うか決めるためではなく、まず原因を調べてもらおう」


「歩けなくなるから受診する」のではなく、「今の生活を続けるために相談する」と共有することが大切です。



改善策は原因を確認してから選ぶ


歩くのが遅くなったからといって、すぐに大股歩きや早歩きを始めればよいとは限りません。


膝の痛みがある人、立ちくらみがある人、少し歩くだけで息切れする人、足をうまく動かせない人が無理に運動すると、転倒や症状の悪化につながる可能性があります。


まず、歩行速度が落ちた原因に合わせて、必要な対策を選びましょう。

主な状態

優先する対策

膝・股関節・腰の痛み

痛みや病気の評価・治療、負担を調整した運動

息切れ、動悸、貧血

医療機関で原因を確認し、治療方針に沿って活動する

筋力・活動量の低下

筋力、バランス、歩行を組み合わせた運動

体重減少、食欲低下

栄養状態、口腔機能、食事内容の確認

薬による眠気やふらつき

医師・薬剤師による処方内容の確認

転倒への不安

身体評価、住環境の調整、段階的な活動再開

視力や履物の問題

眼科受診、眼鏡・靴・照明の見直し


運動できる状態なら複数の能力を組み合わせて鍛える


厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、高齢者に対し、筋力、バランス、柔軟性などを含む多要素な運動を勧めています。また、現在の体力に合わせ、可能なものから少しでも身体を動かすことが推奨されています。


急な歩行変化、強い痛み、息切れ、めまい、繰り返す転倒などがなく、医師から運動を止められていない場合は、次のような運動が候補になります。


立ち座りやかかと上げなど5つの歩行運動

1、椅子からの立ち座り


安定した椅子を壁につけて置き、足を肩幅程度に開きます。必要に応じて肘掛けや机へ手を置き、ゆっくり立ってから座ります。


勢いをつけず、無理なくできる回数から始めます。膝や股関節に強い痛みが出る場合は中止してください。



2、支えを使ったかかと上げ


倒れない机や手すりを両手で持ち、かかとをゆっくり上げてから下ろします。ふくらはぎや足首を使う運動です。


身体が前へ倒れないようにし、必ず安定した支えを使います。



3、座った状態でのつま先上げ


椅子に深く座り、かかとを床につけたまま、つま先をゆっくり上げて下ろします。つま先が引っかかりやすい人でも比較的取り組みやすい運動です。



4、支えを使った体重移動


机や手すりを持ち、身体を左右へゆっくり移動します。片脚立ちを無理に行うのではなく、両足を床につけたまま安全に体重を移すところから始めます。



5、短い距離からの歩行


最初から速く歩こうとせず、普段の速度で安全に往復できる短い距離から始めます。


痛み、息切れ、ふらつきがなく歩けることを確認しながら、時間や距離を少しずつ増やします。速さを上げるのは、安全に歩ける状態を確認してからです。




国立長寿医療研究センターも、高齢者向けの運動例として、つま先上げ、かかと上げ、椅子を利用したスクワット、支えを使ったバランス運動などを紹介しています。


運動中に胸痛、動悸、めまい、ふらつき、普段とは異なる強い疲れ、関節や筋肉の強い痛み、冷や汗などが出た場合は、直ちに運動を中止してください。


運動だけでなく食事と生活環境も見直す


体重が減っている、食事量が少ない、疲れやすいといった場合は、運動だけでなく栄養状態の確認が必要です。


本人が「食べている」と話していても、食事の回数が減っていたり、おかずが少なくなっていたり、噛みにくさや飲み込みにくさがあったりする場合があります。


次のようなことを確認しましょう。


  • 最近、体重が減っていないか

  • 1日3回に近い食事を取れているか

  • 肉、魚、卵、大豆製品などを食べているか

  • 歯や入れ歯に問題がないか

  • 食事中にむせることが増えていないか

  • 買い物や調理が負担になっていないか


自己判断でサプリメントだけを追加するのではなく、体重減少や食欲低下が続く場合は、医師や管理栄養士へ相談してください。


住環境では、通路に置かれた物、滑りやすい敷物、暗い廊下、段差、本人に合っていない靴などを確認します。


安全を理由に外出や歩行をすべて止めるのではなく、付き添い、休憩場所、経路、移動手段などを調整し、本人が続けたい活動を残すことも大切です。



歩くのが遅くなっただけで杖を選ばない


歩く速度が遅くなったことだけを理由に、すぐ杖を購入する必要はありません。


杖は歩く速度を直接速くする道具ではなく、歩行中のバランスや脚への負担を補うために使います。


膝や股関節の痛み、軽いふらつき、片脚の弱さなどがある場合は、杖が役立つ可能性があります。一方、次のような場合は、一本の杖では支えが足りないことがあります。


  • 強くふらつく

  • 両手で壁や家具につかまらないと歩けない

  • 家族の身体へ強く体重を預けている

  • 杖へ大きく体重をかけないと一歩を出せない

  • 立ち上がりや方向転換で大きくバランスを崩す


片手の杖では支えが足りない場合は、歩行器を含む別の支援方法について専門職へ相談してください。


杖の必要性や本人に合う種類、長さ、持ち方については、次の記事で詳しく解説しています。



歩行補助具を初めて使う場合は、本人と家族だけで決めず、医師、理学療法士、ケアマネジャー、福祉用具専門相談員などに、実際の歩き方を確認してもらいましょう。


また、専門職への相談と並行して、自分の脚を動かす歩行トレーニングを続けたい場合には、装着型の歩行支援機器なども選択肢になります。


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まとめ|本人と家族の気づきを年齢だけで片付けない


歩く速度が以前より遅くなったときは、「高齢だから仕方がない」「筋力が落ちただけ」と決めつけないことが大切です。


急な麻痺や言葉の異常、突然立てない・歩けないといった症状がある場合は、救急対応を優先します。症状が短時間で消えた場合も、そのまま様子を見てはいけません。


徐々に遅くなっている場合は、筋力や活動量だけでなく、関節の痛み、息切れ、しびれ、薬、体重、食欲なども確認します。


日常生活へ影響している、悪化している、ほかの症状を伴っている場合は、本人が強く困っていなくても、かかりつけ医などへ相談しましょう。


原因を確認したうえで、治療、運動、栄養、住環境、付き添い、歩行補助具などから、本人に必要な対策を組み合わせることが、これからも歩き続けるための第一歩です。

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