top of page

高齢者向けの杖の種類を全解説|一本杖・多点杖・2本杖の違いや選び方

  • GLOBIZ WELLNESS
  • 6 時間前
  • 読了時間: 9分

杖を探し始めると、T字杖、多点杖、2本杖、伸縮杖、折りたたみ杖など、さまざまな名前が出てきます。ただ、何が違うのか分かりにくかったり、どれを選べばいいのか分かりにくいですよね?


杖を選ぶときには、


「身体をどのように支えるか」


「長さを変えられるか、収納できるか」


まずこの2つを分けて考えると整理しやすくなります。


この記事では、日常の歩行を補助してくれる一本杖・多点杖・2本杖を中心に、それぞれの特徴や選び方を解説しました。


杖にはどんな種類があるのかを把握して、ご自身・ご家族に合った杖選びにお役立てください。


【注意】

杖が合うかどうかは、歩き方や痛み、筋力、姿勢、手や腕の状態、使う場所によって変わります。転倒を繰り返している場合や、病気・けが・手術後に使う場合は、医師や理学療法士、福祉用具専門相談員などに相談してください。


杖の種類は「身体の支え方」と「長さ・収納の仕組み」で整理できる

杖の種類を身体の支え方と長さ・収納の仕組みの2軸で整理した図

杖の名称が複雑に見えるのは、異なる基準で付けられた名前が同じ一覧に並ぶことが多いためです。まずは、次の2軸に分けて考えましょう。


分類の軸

主な名称

違い

身体の支え方

一本杖、多点杖、2本杖など

片手で支えるか、複数の杖先や両腕を使うか

長さ・収納の仕組み

固定式、伸縮式、折りたたみ式

長さを調整できるか、小さく収納できるか


たとえば「伸縮式のT字杖」や「折りたたみ式のT字杖」があります。T字杖と伸縮杖が別々の道具なのではなく、T字杖の中に長さを調整できる製品がある、という関係です。


この記事では、まず身体の支え方による違いを確認し、その後に長さ・収納の仕組みを見ていきます。



日常の歩行補助で使われる主な杖は3種類

一本杖・多点杖・2本杖の身体の支え方を比較した図

日常生活で歩行を補う目的では、一本杖、多点杖、2本杖・歩行補助用ポールが主な選択肢になります。どれが上位・下位という関係ではなく、身体の支え方と使う場面が異なります。


種類

身体の支え方

候補になりやすい場面

確認したいこと

一本杖(主にT字杖)

片手で持ち、1か所で接地する

軽いふらつきや片脚への負担を補いたい

片手の支えで足りるか

多点杖

杖先が3点・4点などに分かれている

平坦な場所で、広い範囲に接地させたい

ベース全体(4つの杖先すべて)を床へ置けるか

2本杖・歩行補助用ポール

左右の手に1本ずつ持つ

両腕を使って歩行のリズムや姿勢を補いたい

両手で操作しながら歩けるか



一本杖(T字杖)は片手で使う一般的な杖

一本杖は、1本の支柱と1つの杖先で身体を支える杖です。日常でよく見かけるT字杖やL字杖は、一本杖の代表的な形にあたります。とうきょう福祉ナビゲーションでも、T字型杖は現在もっとも普及しているタイプとして紹介されています。


片手で持ち、杖を床につくことで身体を支える範囲を広げたり、片脚へかかる負担の一部を補ったりします。軽いふらつきがある方や、片側の脚に痛み・筋力低下がある方などで候補になります。


一方、片手の支えだけでは姿勢を保てない場合や、杖へ強く体重を預けなければ歩けない場合には、一本杖で十分とは限りません。杖の長さや持つ手、歩く順番については、以下の記事で詳しく解説してます。



多点杖は複数の杖先を床に接地させて使う

多点杖は、持ち手は1つですが、杖先が3点・4点などに分かれている杖です。「多脚杖」「多脚型杖」と呼ばれる場合もあります。


一本杖よりも床へ接する範囲が広く、平坦な場所では身体を支えやすいことが特徴です。立ち止まったときに自立しやすい製品もあります。


ただし、接地点が多ければ、どこでも使いやすいわけではありません。段差や傾斜、凹凸のある路面では、複数の杖先やベース全体を同時に接地させにくいことがあります。多点杖は一本杖より常に安全というものではなく、歩き方や使う場所との相性が重要です。


多点杖には3点・4点の違いに加え、杖先のベースが固定されたものと、路面に合わせて動くものがあります。詳しい違いと選び方はこちらのの記事で解説しています。





2本杖・歩行補助用ポールは左右の腕を使って歩く

2本杖は、左右の手に1本ずつ杖やポールを持って歩く方法です。一本杖や多点杖のように杖先の構造を表す名称ではなく、「2本を使う」という使い方を表しています。


左右の腕を交互に動かしながら歩くため、一本の杖へ体重を預けるというより、腕も使って歩行のリズムや姿勢を補いたい場合の選択肢です。多点杖より支えが強いという関係ではなく、身体の支え方が異なります。


一方で、両手がふさがるため、荷物を持つ、手すりをつかむ、傘を差すといった動作との相性を考える必要があります。また、「ウォーキングポール」という名称の製品すべてが日常の歩行補助用とは限りません。運動用や登山用ではなく、歩行補助を目的として設計された製品かを確認しましょう。



医療やリハビリで使われる杖もあります

骨折や手術後、麻痺、関節や手の障害などがある場合には、日常用の3種類とは別に、次のような杖が使われます。


種類

主な特徴・用途

ロフストランドクラッチ

グリップと前腕カフの2か所で支える。脚へかけられる体重が限られる場合や、麻痺・切断などで使われることがある

肘支持型杖

前腕や肘を支持部へ載せて支える。手首や手指でグリップを握って支えにくい場合などに使われる

松葉杖

通常は左右に1本ずつ使い、骨折や手術後など、脚へかける体重を制限する場合に用いられる


これらは、日常のふらつきを補うために本人や家族が自由に選ぶ杖とは性格が異なります。使用する場合は、医師や理学療法士などから種類・長さ・使い方の指示を受けてください。



一本杖には固定式・伸縮式・折りたたみ式がある

一本杖の固定式・伸縮式・折りたたみ式の違い

固定式・伸縮式・折りたたみ式は、身体の支え方ではなく、主に支柱の構造や収納方法の違いです。一本杖では、次の3タイプがよく見られます。


仕組み

特徴

確認したいこと

固定式

長さが変わらない。木製の一本杖などに多い

本人に合う長さへ調整されているか

伸縮式

支柱をスライドさせ、段階的に長さを変えられる

必要な長さが調整範囲に入り、固定部分が確実に留まるか

折りたたみ式

複数に分けて小さく収納できる

本人が組み立て・収納でき、接続部分が確実につながるか


固定式は継ぎ目が少なくシンプルですが、購入時や加工時に本人へ合う長さにする必要があります。伸縮式は長さを合わせやすい一方、調整ボタンや固定リングが確実に留まっているかの確認が必要です。折りたたみ式は外出時に携帯しやすい反面、組み立てや収納に両手が必要な製品もあります


また、同じ種類・仕組みの杖でも、グリップの形、杖先ゴム、重さ、素材によって使い心地は変わります。具体的な製品を比較する際は、こちらの記事も参考にしてください。




どの種類が合うかは身体の状態と使う場面から考える

身体の状態や使う場所から杖の種類を選ぶ簡易フロー

杖を選ぶときは、名前から入るよりも、どのような支えが必要か、どこで使うかから考えると候補を絞りやすくなります。


現在の状態・目的

候補として確認するもの

判断するときのポイント

片手の支えがあれば歩ける

一本杖

片手だけで姿勢を保ち、杖を操作できるか

平坦な場所で接地範囲を広げたい

多点杖

複数の杖先やベース全体を床へ置けるか

左右の腕を使って歩きたい

2本杖・歩行補助用ポール

両手でポールを動かしながら安全に歩けるか

手術後や脚への荷重制限がある

医療・リハビリ用の杖

医療職から種類と使い方を指示されているか

片手の杖では支えが足りない

杖以外の補助具も含めて相談

杖の種類を替えるだけで解決できる状態か


この表は、最初に確認する選択肢を整理するための目安です。どの種類が合うかは、ふらつきの程度だけでなく、痛み、腕や手の力、認知機能、住環境、屋内・屋外のどちらで使うかなどによって変わります。


具体的な杖選びについては以下の記事が参考になります。ぜひご覧ください。



杖だけでは支えにくい場合は歩行器も選択肢になる


杖は、片手または両手に持ちながら、自分で身体を支えて歩くための道具です。そのため、杖へ大きく体重を預けなければ立てない場合や、片手の杖を使ってもふらつきが大きい場合には、杖の種類を替えるだけでは十分でないことがあります


次のような場合は、歩行器など両手で身体を支える補助具も含めて、医師や理学療法士、福祉用具専門相談員へ相談しましょう。


  • 杖を使っても姿勢を保ちにくい

  • 杖へ強く体重を預けて歩いている

  • 両手で身体を支える必要がある

  • 転倒を繰り返している、または歩き方が急に変わった


歩行器の種類や、杖との違いについては、こちらの記事で詳しく解説しています。




杖以外の歩行サポートにはWIM Sという選択肢もある


歩行をサポートする方法は、杖や歩行器だけではありません。WIM S(ウィム エス)は、身体に装着して歩く動きをサポートする歩行支援機器です。



杖のように手で身体を支えるのではなく、自分で歩く動きを活かしながらサポートを受けられるため、「できるだけ自分の足で歩き続けたい」「両手を空けて歩きたい」という方は、杖とは異なる選択肢としてぜひご検討ください。


杖の種類に関するよくある質問


A:T字杖は一本杖の代表的な形です。一本杖は、1本の支柱と1つの杖先で身体を支える杖の総称として使われ、その中にT字型やL字型などがあります。

A:平坦な床では接地範囲が広く、身体を支えやすい場合があります。ただし、段差や傾斜では複数の杖先を同時に接地しにくいため、常に多点杖のほうが使いやすいとは限りません。歩き方と使用場所に合うかで判断します。

A:すべてのウォーキングポールが歩行補助用とは限りません。運動用や登山用の製品は、グリップや杖先、使い方が異なる場合があります。日常の歩行を補う目的で使う場合は、歩行補助用として設計された製品かを確認してください。



まとめ|身体の支え方と仕組みを分けて考えよう


杖を選ぶときは、さまざまな名称をすべて同じ「種類」として覚える必要はありません。まずは、身体をどのように支えるかと、長さ・収納の仕組みを分けて考えましょう。


  • 一本杖は、片手で持ち、1か所で接地する一般的な杖

  • 多点杖は、複数の杖先を平坦な床へ接地させて使う杖

  • 2本杖・歩行補助用ポールは、左右の腕を使って歩く選択肢

  • 固定式・伸縮式・折りたたみ式は、長さ調整や収納方法の違い


どの種類が適するかは、人気や見た目ではなく、必要な支え方、歩き方、手や腕の状態、使用場所によって変わります。判断に迷う場合や、杖だけでは支えが足りない場合は、本人が実際に試したうえで専門職へ相談してください。




コメント


bottom of page