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高齢者のふらつきは何が原因?まず確認したい症状と受診の準備

GLOBIZ WELLNESS
22 時間前
読了時間: 9分

高齢者のふらつきには、血圧の変化、耳や脳の病気、薬の影響など、さまざまな原因があります。大切なのは、原因を自分で当てることよりも、急いで対応する症状を見分け、起きたことを医療機関へ伝えることです。


この記事では、救急の目安、原因の考え方、受診の準備、日常の歩行を支える選択肢を紹介します。


まず確認:急に立てない・ろれつが回らないときは119番


椅子で姿勢を安定させた高齢者のそばで家族が119番へ電話するイラスト

救急の目安は、厚生労働省の救急案内を参考にしています。特に、突然、支えがなければ立っていられなくなった場合は、それだけでも119番通報の対象です。 ほかの症状がそろうまで待つ必要はありません。


突然の立位・歩行困難、顔・手足・言葉や見え方の異常


次のような急な変化があれば、119番に連絡してください。


  • それまでと違い、立っていられない、歩けない

  • 顔の片側がゆがむ、片側の手足に力が入らない、しびれる

  • 言葉が出ない、ろれつが回らない

  • 物が二重に見える、見える範囲が急に欠ける

  • 経験したことのない激しい頭痛がある、意識がはっきりしない


強い胸の痛みや急な息苦しさがある場合も、救急車を呼ぶ状況です。電話では起きていることを伝え、指令員の案内に従います。歩けるか試したり、自分で運転して受診したりせず、近くに人がいれば助けを求めてください。


症状が一度おさまっても、急な異変は見過ごさない


片側に力が入らない、言葉が出にくいなどの症状が短時間で消えることもあります。国立循環器病研究センターの解説が示すように、症状が消えても脳卒中の前触れの可能性が残ります。こうした急な症状は、落ち着いてもすぐに医療につなげます。


救急隊には、「症状に気づいた時刻」と「最後に普段どおりだった時刻」を、わかる範囲で伝えます。時刻が不明でも通報を遅らせず、家族などが見た変化も一緒に伝えてください。


ふらつきは病名ではなく、感じ方もさまざま


「ふらつく」という言葉は、足元が頼りない、体が揺れる、倒れそうになるなど、いろいろな感覚に使われます。めまいの一つとして説明されることもあります。


感じ方の例

診察で伝える言葉の例

周囲や自分が回る感じ

「天井がぐるぐる回る」「体が引っ張られる」

気が遠くなる感じ

「目の前が暗くなる」「倒れそうになる」

足元や姿勢が不安定な感じ

「歩くとよろける」「ふわふわして地面を踏めない感じがする」


この表は、済生会のめまいの解説を参考にした表現の例です。感じ方だけで病名は決まらないので、表に合わせるより、自分が感じたままに伝えます。


高齢者のふらつきで考えられる主な原因


血圧や体調、耳、脳や心臓、薬、筋力や感覚など、ふらつきに関わる複数の要因

ふらつきには、バランスを保つ働きに加え、血圧や体調、服薬、複数の病気が関わることもあります。ここでは、東京都健康長寿医療センターの解説などを参考に、主な分類を紹介します。


血圧や全身状態の変化


立ち上がったときに血圧が下がる「起立性低血圧」や、食後の血圧低下が、ふらつきに関わることがあります。また、脱水、貧血、低血糖なども原因の候補です。


相談の手がかりになるのは、食事・姿勢・体調の変化と、ふらつくタイミングの関係です。「朝ベッドから立った直後」「食後に席を立ったとき」「食事を十分に取れなかった日」など、気づいた場面を伝えます。水分や食事の取り方も、持病について受けている指示を踏まえて相談します。


耳・前庭の病気や働きの変化


耳の奥には、音を聞く働きだけでなく、頭の動きや傾きを捉えてバランスを保つ「前庭」という仕組みがあります。その働きに問題が起こると、めまいやふらつきにつながることがあります。


たとえば、良性発作性頭位めまい症では、寝返りなど頭の向きを変えたときにめまいが起こることがあります。ほかにも、耳鳴りや聞こえにくさを伴う病気があります。耳の症状が出ないこともあるため、聞こえ方だけで判断せず、頭の向きとの関係も伝えます。


脳・神経・心臓などの病気


脳の血管や神経の病気、不整脈などの心臓の病気も、ふらつきの原因になることがあります。頭痛や手足の変化だけでなく、動悸、息苦しさ、意識が遠のいたことがないかも、原因を考える材料になります。


診察では症状や体の状態に応じて、血液検査や心電図、画像検査などが選ばれます。


飲んでいる薬の影響


睡眠薬や血圧を下げる薬などの一部が、ふらつきに関係することもあります。処方が変わった時期と症状が始まった時期を伝えると、見直しの手がかりになります。


薬は自己判断で中止・増減せず、処方した医師や薬剤師へ相談します。 「新しい薬を飲み始めた」「量が変わった」「市販薬も使っている」といった情報を、症状と一緒に伝えてください。個別に受けている服薬時の指示があれば、その内容に従います。



筋力・感覚・睡眠など、複数の機能の変化


体のバランスは、目や耳、脚から届く感覚と、姿勢を支える筋肉などが協力して保たれています。これらの働きの変化が重なると、足元の不安定さとして現れることがあります。


長く続くふらつきを扱った研究(Ikedaほか、2024年)でも、前庭の働き、筋機能、睡眠の問題など、複数の要素が調べられています。普段の見え方や眠り、活動の変化も含め、その人に何が関わっているかを考えます。


受診時に伝えるのは「いつ・どんなとき・何と一緒に」


落ち着いて記録できるときに、いつから、どんな場面で、一緒に起きた変化を家族とメモするイラスト

起きたことをスマートフォンや紙に短く残すと、診察で伝えやすくなります。わかる項目だけで構いません。


始まった時刻・続く時間・起こる場面をメモする


症状が落ち着いていて記録できるときは、次の項目を振り返ります。


メモする項目

記録の例

いつから・始まり方

「今朝、急に」「数週間前から少しずつ」

一回の長さ・頻度

「短時間でおさまるが繰り返す」「午後も続いている」

起こる場面

「立ち上がった直後」「食後」「寝返りをしたとき」

普段との違い

「いつもの廊下でよろけた」「転びかけた」「外出しにくくなった」


時刻がわからなければ「不明」と記録します。症状を再現するために動作を繰り返したり、無理に歩いたりするのは避けます。急な異変があるときは、メモより119番への連絡を優先します。


一緒に出た症状・持病・薬の変更を伝える


耳鳴りや聞こえにくさ、頭痛、しびれ、動悸、意識の変化など、ふらつきと一緒に起きたことも伝えます。持病と、市販薬やサプリメントを含む服薬情報も伝えます。お薬手帳があれば持参します。


家族が同行する場合は、本人の感覚と、周囲から見えた様子を分けると伝わりやすくなります。たとえば「本人は足元が浮く感じと言っていた」「家族には、いつもより壁に手をついて歩いているように見えた」という説明です。


受診先に迷ったら、かかりつけ医や内科へ相談する


救急の症状がなくても、新しく出てきたふらつきや、繰り返す・続くふらつきは、医療機関へ相談します。どこに行くか迷う場合は、持病や薬を把握しているかかりつけ医、または内科が入口になります。


耳鳴りや聞こえにくさがある場合は、耳鼻咽喉科も相談先です。特に急に聞こえが悪くなった場合は、受診を先延ばしにしないことが大切です。必要に応じて、脳神経内科などへ紹介されます。


原因がわかるまでは、無理な歩行や自己流の対処を避ける


安定した椅子に座った高齢者が近くの家族へ状態を伝えるイラスト

ふらつきへの対応は、原因によって異なります。相談までの間は転ばないための行動を取り、治療や運動は体の状態を評価したうえで選びます。


ふらついたら動作を止め、安全な場所で助けを求める


ふらつきを感じたら動作を止め、家族や周囲の人に声をかけます。すぐそばの安定した椅子に座るなど、できる範囲で姿勢を安定させてください。立ち続けたり、離れた椅子まで無理に歩いたりせず、その場で助けを呼びます。


外出先なら、近くの人や施設のスタッフに状態を伝えます。急に立てなくなったなど、冒頭で示した異変がある場合は119番へ連絡します。


治療・運動・用具は、原因と状態に合わせて相談する


病気への治療、薬の調整、専門的なリハビリなど、必要な対応は人によって違います。運動は医療機関で原因と体の状態を評価したうえで、自分に合う方法を選びます。


受診時には、「家の中を移動するのが不安」「近所への買い物を続けたい」といった生活上の希望も伝えます。そのうえで、行える動作や歩行に必要な支えを相談します。


原因への対応とあわせて、日常の歩行に必要な支えを相談する


原因への対応とあわせて、体の状態に応じた歩行支援も考えます。選択肢の一つが、杖や歩行器です。


杖や歩行器には、体の支え方や操作、使いやすい場所に違いがあります。「室内の方向転換で困る」「外では両手の支えが欲しい」など、実際の場面を医師や理学療法士、福祉用具専門相談員に伝えて選びます。種類や選び方は、次の関連記事で詳しく紹介しています。




一方、原因の評価を受け、状態が落ち着いて自分で歩ける方が、歩行動作の補助を別途考える場合には、腰に装着するWIM Sという選択肢もあります。歩く動きに合わせて補助力を調整する機器で、体を支える杖や歩行器とは役割が異なります。


WIM Sを腰に装着した女性が屋外を歩く様子

WIM Sは医療機器ではなく、ふらつきを治療したり、杖・歩行器の代わりに体を支えたりするものではありません。検討する場合は、現在の歩行状態や使っている補助具を伝え、製品の使用条件と自分への適合を相談します。使用条件や機能、相談窓口は、WIM Sのよくある質問で確認できます。


高齢者のふらつきに関するよくある質問


A:一度の診察や検査で原因が一つに定まらないこともあります。症状が続く、起こり方が変わる、生活で困ることが増えるときは、その変化を再び伝えてください。

A:数値を確かめるために無理に歩くのは避けます。平均に近い値が出ても、ふらつきの原因や病気の有無を判断できるものではありません。測定が必要か、安全に行えるかを医療者へ相談してください。

A:自己判断で中止・増減せず、症状と薬を変更した時期を処方医や薬剤師へ伝えます。薬ごとの個別の指示がある場合はそれに従います。急に立てない、意識がおかしいといった異変があれば、薬の相談の返答を待たず119番へ連絡してください。

A:まず原因と体の状態を確認します。運動やリハビリが適している場合もあれば、病気の治療や薬の調整が先になる場合もあります。診察で「どんな動きをしてよいか」を相談してから、自分に合う方法を選びます。


まとめ|原因を決めつけず、症状を整理して相談へ


高齢者のふらつきには、血圧、耳、脳や心臓、薬、複数の機能の変化などが関わります。年齢や感じ方だけで原因を決めず、急な異変には119番で対応し、それ以外の続く症状も医療機関へ相談することが基本です。


相談の際は、「いつ始まったか」「どんな場面で起きるか」「一緒に何が変わったか」を短く伝えます。本人の困り事を医療者と共有するためのメモとして役立ててください。


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